人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)
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tanko 2013-3-1 19:10
 前沢区古城地区センター(小野寺孝喜センター長)主催の「国際リニアコライダー(ILC)講演会」はこのほど、同センター講堂で開かれた。奥州宇宙遊学館サイエンスコンダクターの小野寺喜美男さん=同区古城出身=が講師となり、ILCの概要や学術的意義、東北への誘致がもたらす効果などについて解説した。
 今夏にもILCの国内候補地が一本化されることを受け、地元から誘致機運の盛り上げを図ろうと企画。地域住民ら約20人が足を運んだ。
 小野寺さんは冒頭、胆江地方や国内各地で活発化している北上山地へのILC誘致活動の動向を、新聞報道などを例に紹介。その後、ILC建設地の条件や素粒子、電子といった関連用語、ILCを構成する加速器の仕組みなどについて分かりやすく解説した。
 ILC建設が東北に決定した場合の学術的、経済的効果にも触れ「世界最先端の科学技術の拠点。各国から研究者らが居住し、地域と世界の交流が深まる。また医療やIT、バイオ、環境など幅広い分野の関連産業も創出され、東北の産業における技術革新にもつながる」と強調。
 建設から運用までの30年間で約4.3兆円にも及ぶ経済波及効果があることも指摘し「東北に建設が決まれば、震災からの復興と再生の原動力になる」などと期待を寄せた。
 参加者らは時に熱心に質問を投げ掛けながら、ILCに対する関心と理解を深めていた。

写真=北上山地へのILC誘致の意義などに理解を深めた「ILC講演会」

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