人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

ILC誘致 大きな進展(小沢市長、市民へ情報「丁寧に」)

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tanko 2020-12-4 10:20
 北上山地が有力候補地となっている素粒子実験施設、国際リニアコライダー(ILC)誘致について小沢昌記市長は3日、研究者界や関係する国内外の動向を「大きく進展していると感じられる」と評価。県や誘致組織などと連携し、施設受け入れに向けた準備を進めるとともに、市民の理解普及につなげるため、丁寧な情報発信を今後もしていくと述べた。
(児玉直人)

 同日の市議会12月定例会一般質問で、佐藤郁夫氏(無会派)と及川春樹氏(新奥会)が、ILC誘致の現状認識、今後の誘致活動について市当局の考えをただした。
 今年策定された新しい欧州素粒子物理戦略には、ILCへの期待が明記。当該分野の研究者コミュニティーで組織する「国際将来加速器委員会(ICFA=イクファ)」は、国際準備研究所(プレラボ)を立ち上げるための「国際推進チーム」設立を提言し8月に発足した。これに同調するように北上山地周辺の自治体などは、施設の受け入れに必要な対応を検討する「東北ILC事業推進センター」も設置した。誘致関係者は着実な進展と受け止めている。
 千葉典弘総務企画部長は、関連答弁で「何より大きいのが、米国のエネルギー省と国務省が、省庁横断的にILCを支持した。経済だけでなく、科学分野でも世界をリードするアメリカの政府が初めて支持したのは大きい」と述べた。
 ILCの国内推進母体である高エネルギー加速器研究機構(KEK)は今年2月、文部科学省が策定する「学術研究の大型プロジェクトの推進に関する基本構想ロードマップ(2020)」に係る審査を申請していた。しかし、ICFAの提言など国際的な体制が大きく進展する動きを見据え、3月下旬、申請を取り下げた。
 小沢市長は「ロードマップ申請の取り下げ経緯や状況がよく分からず、誘致実現を不安視する声もあった。市広報や講演会などを通じ、国際的な協力体制ができつつあることを伝えている。今後も機会を捉え、丁寧な説明をしていく」と述べた。
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