人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

VERA継続に協力を(支援団体が署名活動)

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tanko 2020-9-21 9:50

写真=署名に応じる奥州宇宙遊学館の来館者。左は木村隆代表

 天文広域精測望遠鏡(VERA)の運用継続を求める署名活動が20日、水沢星ガ丘町の奥州宇宙遊学館(中東重雄館長)前で行われた。天文ファンらで組織する「VERAサポーターズクラブ」代表の木村隆さん(48)=金ケ崎町三ケ尻中荒巻=が来館者に署名への協力を呼び掛けた。
 国立天文台水沢VLBI観測所(本間希樹所長)が運用するVERA観測網は、水沢や石垣島、小笠原諸島・父島、鹿児島県の入来の4カ所に同一仕様の電波望遠鏡を設置。4局を連動させて高精度な天体観測を行ってきた。近年は韓国や中国など東アジアの電波望遠鏡群と連動させ、ブラックホール関係の観測など、より精度の高い観測を実施している。
 しかし昨年12月、同天文台執行部がVERAの運用終了と同観測所の予算半減の方針を急きょ提示。現場と執行部との協議で本年度予算は確保されたものの、2003(平成15)年から続けてきた「銀河系の地図作り」は当初予定よりも早く終了。研究プロジェクトの見直しを余儀なくされているほか、来年度以降の予算確保の見通し、若手研究者の育成にも暗い影を落としている。
 署名は、11月ごろの提出を目指しネット上などで既に行われていたが、より多くの賛同を得ようと、同観測所敷地内にある遊学館来館者に協力を求めた。
 4連休2日目とあって、この日は市内外から家族連れらが次々と来館。木村代表の呼び掛けに応じ、署名に協力していた。
 目標は1万筆。木村代表は「花巻ロータリークラブの働き掛けのほか、石垣局がある沖縄県石垣市の高校生たちも署名を集めている。集計途中ではあるが、5000筆近くは集まっているのではないか。地元、水沢や金ケ崎の方にもさらに協力をお願いしたい」と話している。
 同館前での署名活動は、27日も午前11時から午後4時まで実施する。署名サイトでは常時受け付けている。

署名サイト → http://chng.it/6kS5snj6
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