人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

KEK対応「不誠実」(ILCを考える会、誘致停止を県に要請)

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tanko 2020-9-18 10:00
 素粒子実験施設「国際リニアコライダー(ILC)」の誘致に反対姿勢を示している、市民団体「ILC誘致を考える会」(千坂げんぽう※、原田徹郎共同代表)は17日、達増拓也知事に対し、高エネルギー加速器研究機構(KEK、山内正則機構長)と連携し実施しているILC誘致推進事業の停止などを求める要請書を提出した。同会は、文部科学省に提出した「学術研究の大型プロジェクトの推進に関する基本構想ロードマップ(2020)」の申請を取り下げ、5カ月余り公表しなかったKEKの対応を「不誠実」と批判した。
 同会は一関市を拠点に活動。ILC誘致に批判的、あるいは慎重な思いを抱く同市や奥州市、平泉町などの住民で組織している。県への要請書提出は今年2度目。達増知事へは同日郵送したほか、一関市の勝部修市長と大槻隆・同市議会議長には同様の内容の文書を担当部署を通じ提出した。
 ロードマップ2020の申請取り下げについて、KEKは「審査過程は非公開が原則だったため報告が遅れた」と釈明している。
 同会は岩手県南、宮城県北の自治体などで構成する「東北ILC事業推進センター」が8月に立ち上がった時点でも、「各自治体はロードマップ申請を取り下げた事実を知らずにいた」と指摘。「およそ科学者にあるまじき策動。このような不誠実な団体に踊らされることは、一刻も早くやめるべきだ」と厳しく批判し、東北ILC推進協議会、東北ILC事業推進センターからの退会を求めた。
 このほか、「県施策に対する県民意識調査」でILC計画が県民ニーズの低い施策となった結果に触れながら、ILC推進局の廃止やILC誘致関連費用の執行停止を要請。新型コロナウイルス感染症対策などに力を注ぐよう求めた。
 原田共同代表は「学術研究をしているKEKに私自身、敬意を表して接してきた。だが今回の申請取り下げのように、事実を長く公表しなかった姿勢があると大きな不信感を抱く」と不満をもらす。「ILCの県民ニーズの低さが県が自前で行った調査でも明らかになっている。コロナで地域経済が低迷している状況下、ILCに労力を費やしている場合ではない。日本学術会議さえ否定的な見解を示している計画を政府が実現するとは到底思えない」と述べている。

※…千坂氏の名前の漢字表記は、「げん」が山へんに「諺」のつくり。「ぽう」は「峰」
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