人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

都心で誘致機運醸成(東北ILC推進協、30日にシンポジウム)

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tanko 2013-5-19 9:20
 素粒子研究施設「国際リニアコライダー」(ILC)の北上山地誘致を目指す東北ILC推進協議会(事務局・東北経済連合会)は今月30日午後1時半から、首都圏在住者ら向けのシンポジウムを東京都千代田区大手町の経団連会館で開く。東北地方が持つ潜在能力(ポテンシャル)を紹介しながら、国家プロジェクトとしても重要な計画であることを周知。都心で行動を起こすことで、国内全体の誘致機運の高まりを図る。
 シンポジウムは「日本再生〜ILCを核とした科学技術創造立国と東北のポテンシャル」と題し、講演とパネルディスカッションで構成。岩手、宮城両県、岩手大学、岩手県ILC推進協などが共催する。
 都心での集会開催は、4月26日に仙台市内で開かれた東北推進協総会の席上、達増拓也岩手県知事が提案していた。
 7月下旬に国内の候補地が北上山地か九州の脊振山地かのいずれかに絞り込まれるため、両候補地では地域挙げた誘致活動に取り組んでいる。しかし国内全体をみると、ILC計画そのものが十分に認知されていない。
 多額の事業費を伴う一大プロジェクトでもあり、民間活力の投入がなくては実現できないとの指摘も。元東北大学大学院教授の大村虔一氏はおよそ1兆3000億円と試算し、民間資金を活用した社会資本整備「PFI」(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)などの導入を主張。そのためにも、経済界に対する理解構築も欠かせない。
 こうした状況を受け東北推進協は、ILC受け入れの準備状況や東北地方が持つ多様な潜在的能力をアピール。日本再生にもつながる重要な事業であることを都心を舞台に発信する。
 当日は、東京大学素粒子物理国際研究センターの山下了准教授がILCの概要について、日本創成会議座長で前岩手県知事の増田寛也氏が誘致による波及効果についてそれぞれ講演。パネルディスカッションでは達増知事や大村氏のほか、村井嘉浩宮城県知事、?ベネッセホールディングス取締役副社長兼ベルリッツコーポレーション名誉会長の内永ゆか子氏が、それぞれの立場からILC誘致に対する見解を述べる。
 定員は250人で先着順。参加申し込みなど問い合わせは、同推進協事務局の東経連(電話022・799・2103)へ。
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