人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

VERA観測網 結ぶ“春”(国立天文台水沢の「宇宙桜」植樹から8年で開花)

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tanko 2020-4-10 11:40

写真=植栽から8年。ようやく開花した「宇宙桜」

 水沢星ガ丘町の国立天文台水沢キャンパス敷地に8年前に植樹した「宇宙桜」が9日、開花した。同天文台水沢VLBI観測所(本間希樹所長)が運用する天文広域精測望遠鏡(VERA)の4観測局に植えられているうちの一つだったが、唯一花が咲いていなかった。
 宇宙桜は、高知県仁淀川町にある樹齢約500年の「ひょうたん桜(ウバヒガンザクラ)」の種から育てたもの。採取した種は2008年11月、スペースシャトル・エンデバー号で打ち上げられ、国際宇宙ステーション(ISS)内で保管。地球を4100周し、2009年7月に帰還した。同町は戻ってきた種を発芽させ、接ぎ木などで50本に増やした。
 その後、同町出身で沖縄県にあるVERAの「石垣局」を担当していた宮地竹史・石垣天文台副所長(当時)が仲介役となり、4局(水沢、石垣、小笠原、入来)に宇宙桜の苗木をプレゼント。水沢では2012年3月、第二東水沢保育園の年長児たちが、水沢キャンパス内の木村栄記念館前に植樹した。
 ところが水沢以外の3局は数年前から開花しているのに、つぼみすら付かない状態が続いていた。同記念館向かいにある奥州宇宙遊学館の中東重雄館長らが、地中の岩石を除去し肥料を与えたところつぼみが付き始め、8年目にして待望の開花。4局連携で運用しているVERAプロジェクト同様、観測点が桜のラインでつながった。
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