人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

125年前、大検疫事業 新型コロナ感染拡大受け後藤新平記念館が緊急企画

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tanko 2020-3-21 10:20

写真=日清戦争直後の大検疫事業に関する初公開された資料も観覧できる緊急企画展(後藤新平記念館)

 水沢大手町の市立後藤新平記念館(佐藤彰博館長)で、緊急企画展「日清戦争帰還兵検疫事業」が開かれている。感染症の国内拡大を防ぐため、戦地から帰国する兵士23万人を受け入れる検疫所開設などに尽力した新平。新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るう中、同館が所有する関連資料9点を公開し、125年前に目に見えない病魔と戦った偉人の功績にスポットを当てている。4月19日まで。
(田中伸吾)

 日清戦争の戦地となった中国大陸では当時、コレラなどの感染症がまん延。感染し、現地や帰国の途中で命を落とす日本兵も少なくなかった。帰還する兵士たちが病原菌を国内に持ち込む恐れもあった。
 陸軍野戦衛生長官だった石黒忠悳の推薦を受けた新平は、1895年3月に創立した臨時陸軍検疫部の事務官長として検疫所の開設に尽力。わずか数カ月で似島(広島県)、桜島(大阪府)、彦島(山口県)の3カ所に整備。1日1万人以上の検疫を可能にした。
 帰還兵らは消毒剤入りの風呂で沐浴。持ち物類は蒸気消毒するなど徹底した対策を講じた。ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世は「日本はえらいことをやる。検疫の手際は感心した」と賛辞を贈るほど、世界的にも前例のない大事業だった。
 新型コロナの影響が世界的に広がる中、新平が陣頭指揮を執った大検疫事業が再度脚光を浴びていることを受け、同館は急きょ企画展を開催。工事を終えたばかりの似島検疫所の写真、感染者の移送を担当する「護送員」の心得を記した本など、初めて展示する資料もある。大陸にとどまっている健康な兵士が感染しないよう、検疫所の工事を予定より1カ月早く完了させたエピソードも紹介。常に先を読んで行動し、「人」を大切にする新平らしさもうかがえる。
 新型コロナの影響で不要不急な外出を控えている人が多い中、同館来館者数は、この時期にしては例年よりも多く、休校中の中高生たちの姿もあったという。同館の中村淑子学芸調査員は「新平は国家の一大事にこそ力を発揮した偉大な人物。新型コロナウイルスが広がる今こそ、皆さんに新平の仕事ぶりを知ってもらいたい」と話している。
 観覧時間は午前9時〜午後4時半で月曜休館。入館料は大人200円、小・中・高校生無料。問い合わせは同館(電話 0197-25-7870 )へ。
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