人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

研究者悩ます質問も (NHK「子ども科学電話相談」宇宙遊学館から生放送)

投稿者 : 
tanko 2020-2-25 17:20

写真=奥州宇宙遊学館で行われたNHK「子ども科学電話相談」の公開生放送

 NHKラジオ第1の人気番組「子ども科学電話相談」の公開生放送が24日、水沢星ガ丘町の奥州宇宙遊学館(中東重雄館長)で行われた。天文学に関する子どもたちの素朴かつ鋭い疑問に対し、解説の研究者たちが頭を悩ます場面もあり、終始和やかな雰囲気で進められた。
 同番組の天文分野レギュラー解説者を、国立天文台水沢VLBI観測所の本間希樹所長が務めている縁で実現。観測所敷地内にある同遊学館2階セミナー室には、日本宇宙少年団水沢Z分団(亀谷收分団長)の団員や、市立水沢南小学校の児童のほか、番組公開を聞きつけた一般市民ら総勢118人が集まった。
 解説は本間所長、同観測所の田崎文得特任研究員、同天文台RISE月惑星探査プロジェクトの竝木則行プロジェクト長、同天文台名誉教授でNPO法人イーハトーブ宇宙実践センターの大江昌嗣理事長が務めた。
 子どもたちからは「ブラックホールは宇宙にあるものを全部吸い込んだりしないのか」「小惑星探査機の『はやぶさ2』の後継機にはどんな装置を付けてみたいか」などさまざまな質問が寄せられた。田崎特任研究員は「ブラックホールの吸い込む力は近くにあるものに対して働く。地球や太陽の近くにはブラックホールは発見されていないので、安心してください」と笑顔で回答。「はやぶさ2」に搭載しているレーザー高度計の開発に携わった竝木室長は、「今は小惑星表面部分のサンプルを持ち帰っているが、今後は小惑星の深い所、中身の様子を調べられるようになれば」と答えていた。
 「オリオン座の1等星『ベテルギウス』が爆発すると言われているが、僕が生きている間に見られますか」というユニークな質問も。本間所長は「超新星爆発というのが起きると言われ、多くの天文学者が待ち望んでいる。昼間でも見えるくらい、明るく輝くと言われているが、問題はいつ爆発するかが分からない点。あしたかもしれないし、何百年後かもしれない。ぜひ見られればいいですね」と夢を与えた。
 公開生放送実施に際し番組側は、新型コロナウイルス等の感染防止のため、子どもたちや観覧の市民をはじめ、本間所長ら解説者、番組スタッフ全員にマスク着用と手の消毒を徹底させた。
 番組の様子はNHKのインターネットサイト「らじるらじる・聴き逃し」コーナーで2カ月程度、聴くことができる。
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