人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

ILC誘致 関心高く 前沢ユネスコ協が専門家招き講演会

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tanko 2013-5-13 10:50
 水沢区のNPO法人イーハトーブ宇宙実践センター理事長、大江昌嗣さんの講演会「ILC(国際リニアコライダー)と東北」は11日、前沢ふれあいセンターで開かれた。前沢ユネスコ協会(鈴木秀悦会長)が、誘致機運が高まってきたILCについて勉強しようと、定時総会に合わせて企画。同協会員ら約40人が熱心に耳を傾けた。
 大江さんは、ILCに期待される役割の一つに、真空の解明があることを紹介。手を振った時に「手に空気を感じるのは、空気の分子があるから。分子と分子の間は真空だが、真空と思われるところには何かがあるのでないかという話がある」とし、真空の世界に迫る研究をILCが後押しすると期待感を示した。
 今年7月ごろに、北上山地と脊振山地(福岡、佐賀両県)のいずれかが国内候補地として一本化される見通しを紹介。両候補地の地盤を比べると、北上山地の方が安定しているとの評価もあるが、「経済面や学術都市などの要素を含めて総合的に(候補地が)判断されるため、どちらになるか、まだ見えない」との見解を示した。
 東北誘致の実現に向けて、海外から訪れる研究者に対応した生活環境整備の重要性などを指摘。ILCに参加する地元の若者を育てる環境をつくるため、物理学や天文学を専門に学ぶことができる大学の必要性も強調した。
写真=ILCと東北と題して講演するNPO法人イーハトーブ宇宙実践センター理事長の大江昌嗣さん
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