天文学の魅力語る(ブラックホール撮影携わった秦和弘氏)
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- tanko 2020-1-20 11:00

写真=ブラックホールの特徴を解説した秦和弘助教
公益社団法人県トラック協会主催の「2020企業物流セミナー新春講演会」が18日、水沢佐倉河のプラザイン水沢で開かれた。国立天文台水沢VLBI観測所助教の秦和弘氏(36)が「人類が初めて捉えたブラックホールの姿」と題し話題を提供。聴衆約100人に天文学の魅力を映像を使い解説した。
秦氏は松江市出身で名古屋大、総合研究大学院大で物理を専攻し理学博士となった。2016(平成28)年より同観測所で電波望遠鏡を用いた宇宙の高エネルギー現象を研究。2018年に文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞している。国際研究プロジェクト「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)」の一員で、史上初となるブラックホールの撮影成功に貢献した。
秦氏は「天文学者は宇宙の研究を通じ地球や人間の起源を探るのが仕事」と紹介。宇宙の映像を使用しながら宇宙には1億もの銀河があることを説明した。
「ブラックホールの周囲はガスが発生しており観測が非常に困難」と秦氏。「世界中の電波望遠鏡をつなげ、人間の視力に換算して300万というレベルでやっと捉えた。ブラックホールから吹き出しているジェットとの関係が新たな疑問として浮かび上がったので、今度はその研究に取り掛かっている」と次なる目標を述べた。