人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

動画サイト上でも 誘致活動熱く

投稿者 : 
tanko 2013-5-9 5:10
 










 国際リニアコライダー(ILC)の国内候補地における誘致活動が、インターネット上でも熱を帯びている。人気動画サイト「You Tube」では、東北と九州双方のPR動画が公開(アップロード)されている。2作とも「ILC誘致」というテーマは同じだが、その構成や雰囲気は相異なる。
 北上山地に誘致を目指す東北ILC推進協議会(事務局・東北経済連合会)は、今年2月に制作した動画「めざせ! 東北ビッグバン」(約21分)を4月29日に公開。今月8日午後の時点で約1200回再生されている。
 女優や脚本家として活躍する近衛はなさんが案内役として登場。科学の世界に夢を抱く子どもたちの姿や誘致に期待する地元の声などを織り交ぜたドキュメンタリー風の内容だ。高エネルギー加速器研究機構(KEK)提供のCG映像に加え、研究者による簡潔明瞭な説明で研究内容とその意義を紹介。経済や教育分野への波及効果にも触れている。
 一方、脊振山地誘致を推進する福岡、佐賀両県は「脊振ILCハイスクール!」(約4分)を共同制作。4月18日に公開し、再生回数はすでに12万3700回を超えている。
 出演しているのは、早稲田大学系属早稲田佐賀高校の生徒。ILCで行う実験が電子と陽電子を衝突させることにちなみ、「陽電子」と「電子」という2人の女子生徒が出会うミュージカル風の“学園ドラマ”に仕立てた。中高生受けするアップテンポのオリジナルの音楽が終始流れ、最後にはアニメーションが飛び出すなど、意外性にあふれた作品となっている。
 東北、九州両地域ではさまざまな手法で誘致活動が繰り広げられており、ILC計画への市民周知や理解構築が図られている。一方で、研究者や有識者の間では、誘致運動の過熱化や政治的駆け引きで建設地が決まるような流れについて、強い警戒感が示されている。
 双方の動画を見るには「You Tube」(http://www.youtube.com/)にアクセス。検索欄に「ILC 東北」「ILC 脊振」と入力すればそれぞれの動画が表示される。
(児玉直人)

写真=動画サイト「You Tube」に公開されている東北(左)と九州のILC誘致動画
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