人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

ヒッグス氏が中継講演(来月都内でILCシンポジウム)

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tanko 2020-1-6 15:00
 素粒子実験施設「国際リニアコライダー(ILC)」の誘致機運向上を図るシンポジウムが、2月8日午後3時半から東京都文京区の東京大学伊藤謝恩ホールで開かれる。ILCで実施される実験と密接に関係する「ヒッグス粒子」の存在を予言したイギリスの理論物理学者ピーター・ヒッグス氏による中継講演も行われる予定だ。
 高エネルギー加速器研究機構やリニアコライダー・コラボレーション(LCC)、先端加速器科学技術推進協議会、東北ILC推進協議会などが共催。ヒッグス氏ら国内外の研究者の講演やパネルディスカッションを通じて、ILC計画の重要性と日本に誘致する意義を国民や政府に発信する狙いがある。
 ヒッグス氏は1964年、全ての物質に質量(重さ)をもたらす「ヒッグス粒子」の存在を理論的に予言。2012年に、欧州合同原子核研究機関(CERN)の地下実験施設「大型ハドロン衝突型加速器」でヒッグス粒子が発見され、理論の正当性が証明された。ヒッグス氏ら理論提唱に関わった研究者は翌年、ノーベル物理学賞を受賞している。
 シンポジウムでは、CERNからの中継でヒッグス氏が講演。ヒッグス粒子のメカニズムのほか、ILCで進めようとするヒッグス粒子の詳細測定についても触れるとみられる。
 ヒッグス氏の講演の前段では、素粒子物理学の今後を探るパネルディスカッションを実施。2008年ノーベル物理学賞受賞者の小林誠氏と益川敏英氏、ILC計画を推進している早稲田大学教授の駒宮幸男氏、LCC副責任者の村山斉氏が意見を交わす。益川氏はビデオメッセージでの出演となる。
 専用ウェブサイト( https://ilc-symposium.jp/ )で聴講者の申し込みを受け付けているが、事務局の年末年始休業の関係で今月は10日から受理を再開する。入場無料で対象は中学生以上。定員は450人、先着順となる。本県など全国3カ所に中継会場を設ける予定だが、招待制のため一般の事前申し込みはないという。問い合わせは、ウェブサイト内を通じて受け付ける。
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