人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

研究者の誇り 今に脈々(国立天文台水沢120周年記念式典)

投稿者 : 
tanko 2019-12-15 14:50

写真=創立120周年の記念式典で式辞を述べる常田佐久・国立天文台長

国立天文台水沢創立120周年記念式典は14日、水沢佐倉河のプラザイン水沢で行われた。関係者や来賓ら約200人が出席し、水沢での緯度観測開始から数えた節目を共に祝い、さらなる観測所の発展と研究の進展を願った。
 記念事業の一環で、国立天文台(常田佐久台長)などで構成する120周年記念事業実行委員会が主催した。式辞で常田台長は「天文学と関連分野の研究が進展する状況で、国立天文台は引き続き世界のリーダーの一つとして主要な役割を果たしていく。長い歴史の中の優れた成果は観測所に関わる方々の絶え間ない努力のたまものであり、地元の皆さまの支援に厚く御礼申し上げる」と述べた。
 水沢星ガ丘町に臨時緯度観測所(現・水沢VLBI観測所)が設置されて120年。今年は人類史上初のブラックホール静止画撮影成功のニュースが世界を駆け巡り、本間希樹所長らVLBI観測所の研究者らが携わったことで同観測所の名がさらに高まった。
 来賓の達増拓也知事はこのブラックホール撮影成功などを挙げながら「功績は県民の誇りであり、関係者に心から敬意を表する」とたたえた。小沢昌記市長、藤原崇衆院議員、小平桂一・元国立天文台長もそれぞれ祝辞を述べた。
 席上、長年の協力と支援に対して市に感謝状を贈呈。常田台長から小沢市長に手渡された。続いて、本間所長が1899(明治32)年開所当時の臨時緯度観測所や、Z項発見で知られる木村栄初代所長(1870〜1943)、水沢キャンパスの変遷などをプロジェクターで紹介した。
 式典後は祝賀会も行われた。
 15日には、市民向けの記念講演会「120年目の最新宇宙研究」が午後1時から水沢佐倉河の市文化会館(Zホール)で開かれる。同天文台水沢キャンパスでは、眼視天頂儀室の室内公開が行われているほか、敷地内の奥州宇宙遊学館では緯度観測所の歴史に触れる新たな企画展もスタートする。
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