人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

新発見に至らずも充実した3日間(高校生による天体観測、研究体験)

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tanko 2019-8-11 19:40

写真=調査結果を発表する高校生たち

 高校生が国立天文台水沢VLBI観測所(本間希樹所長)の電波望遠鏡を使って天体観測する「Z星研究調査隊」(県高等学校文化連盟自然科学専門部など主催)は、このほど終了した。活動最終日には生徒たちが調査結果を発表。新天体は発見できなかったが、生徒たちは限られた時間の中で力を出し合い、天文学への情熱を新たにした。
 県内外から集まった生徒10人は、2班に分かれ調査に挑んだ。これから生まれようとしている星、または一生を終えようとしている星から出される「水メーザー」と呼ばれる電波を探査。観測には同観測所の直径20m電波望遠鏡が使われた。観測計画の立案やデータ解析、研究報告のまとめも自分たちで行った。
 A班はミラ型変光星と呼ばれる12天体を順次観測。比較的高感度な電波を発した1天体に的を絞って再度観測したが、水メーザーは検出できなかった。盛岡市立高校3年の千葉衣織さん(17)は「参加は2回目だが、昨年の方がしっかり見られた気がする。また研究の機会があれば今度こそデータを精査したい」と悔しさをにじませた。
 活動に協力した奥州宇宙遊学館の中東重雄館長(74)は、自身が学位論文を発表するまでに約14年かけたことなどを話し「研究は時間がかかるもの。苦労し、その結果何も発見できなかったという経験は、君たちが社会人になった時に必ず役立つ」と激励した。
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