人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

「ILC実現」など重点に、県へ統一要望24項目(奥州市)

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tanko 2019-8-8 18:00
 奥州市は7日、本年度の統一要望24項目を県南広域振興局に示した。重点要望には「ILC(国際リニアコライダー)実現に向けた取り組み」「公立病院における医師確保」「広域生活バス路線維持対策」の3項目を盛り込んだ。本年度は近隣関係市町との「広域」の要望を新たに加え、「『束稲山麓地域の世界農業遺産』への取り組みに向けた支援」など6項目を登載。小沢昌記市長らが同日、平野直局長に要望書を手渡した。

 奥州市は、岩手県や県を通じた国への要望活動を毎年実施。水沢東町の水沢グランドホテルを会場に要望を行い、達増拓也知事宛ての要望書を小沢市長と小野寺隆夫市議会議長の連名で提出した。
 要望は新規8項目と、昨年度に続く継続16項目で構成。重点3項目はいずれも継続要望で、「ILC実現に向けた取り組み」については、日本誘致の方針を早期決定するよう国に強く働き掛けるとともに、受け入れ環境の整備や普及啓発への配慮を求めた。
 「公立病院における医師確保」は、特に産科と小児科の常勤医師の確保を要望。「広域生活バス路線維持対策」は、県単独補助事業継続と補助要件緩和による民間バス事業者の路線維持への対応を求めた。
 このうち、「医師確保」について小沢市長は「安心して生活できる基盤をつくらなければならない。県と市の連携のさらなる強化を期待する」と述べた。
 平野局長は、県が本年度策定する医師確保計画に触れ「関係機関と協議しながら実効性の高い施策を計画に盛り込み、対策を講じる」と応じた。
 「広域」の要望は、「JR東北本線の利便性向上」(新規)、「胆江地域における地域医療・介護連携の充実」(同)、「『束稲山麓地域の世界農業遺産』への取り組みに向けた支援」(同)など6項目。東北本線の利便性向上については、北上川流域の産業集積や生活環境充実につなげるため、北上駅から一ノ関駅までの運行本数増加(上下線とも平均30分1本)の働き掛けを要望した。「束稲山麓地域」については、前沢生母地区、一関市舞川地区、平泉町長島地区で構成する同地域の世界農業遺産認定について、再申請に関わる取り組みの一層の支援を求めた。
 県への要望では、新たに「えさしクリーンパークの営業継続」も加えた。2022(令和4)年度以降も営業継続を求める内容。継続を望む1万5000人超の署名、市議会で請願が採択された経緯がある。
 重点要望以外の要望項目は次の通り
【広域として県へ要望】
 ▽JR東北本線の利便性向上(新規)▽県立胆沢病院の医療体制の充実(継続)▽胆江地域における地域医療・介護連携の充実(新規)▽(仮称)新金ケ崎大橋の新設(新規)▽「平泉の文化遺産」の世界遺産拡張登録の推進(同)▽「束稲山麓地域の世界農業遺産」への取り組みに向けた支援(同)
【県への要望】
 ▽いわて地域農業マスタープラン実践支援事業の推進(継続)▽公共牧野の維持管理に対する支援(同)▽工業団地などへの企業誘致の促進に係る支援(同)▽工業用水に係る補助、助成制度の導入(同)▽一般県道玉里梁川線のバイパス整備促進(同)▽県管理河川の河道整備(同)▽指導主事の派遣(同)▽小学校英語専科教員の配置(新規)▽カヌー競技の推進(継続)▽えさしクリーンパークの営業継続(新規)
【県を通じ国へ要望】
 ▽介護保険制度の充実強化(継続)▽一般国道4号水沢東バイパスなどの整備促進(同)▽北上川における築堤などの整備促進(同)▽テレビ共同受信施設組合への支援(新規)▽基盤整備事業の推進(継続)
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