人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

意見反映し誘致促進(ILCテーマに県政懇)

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tanko 2019-6-15 19:20

写真=ILCをテーマに水沢で行われた県政懇談会

 北上山地が有力候補地となっている素粒子実験施設、国際リニアコライダー(ILC)をテーマにした県政懇談会は14日、水沢大手町の奥州地区合同庁舎分庁舎大会議室で開かれた。ILC誘致を願う企業や高校生の代表らが達増拓也知事と懇談。関連産業への参入や国際研究都市構築に向けて積極的な行政支援を求める声が出たほか、PR方法への工夫、自然環境に配慮した開発の在り方を訴える意見もあった。
 出席したのは、製造業?WING(北上市)の高橋福巳社長、運輸業白金運輸?(江刺)の海鋒徹哉社長、一関市国際化推進員でオーストラリア出身のアイミ・ジーン・ベルさん、県立花巻農業高校生物科学科3年の佐藤大雅さん、谷川瑛希さんの計5人。県側からは達増知事、佐々木淳ILC推進室長、平野直県南広域振興局長らが対応した。
 高橋社長は、ILCで使用する加速器の金属部品を研磨する装置の開発に取り組んでいることを紹介。製品開発から販売へと進める過程では一定の資金が必要になることから、「国や県も含めた支援制度があれば」と要望した。加えて、施設を建設する際には森林の伐採や地下トンネルの掘削など、何らかの形で自然環境に手が加わる点にも言及。「一企業として、自然環境を考慮するのは使命。私も自然や緑が大好き。うまく共存し繁栄していく方法ができれば」と話した。
 海鋒社長はILC誘致実現を機に、貨物と旅客が別々となっている従来の物流・輸送体系の見直しを進めたいと主張。研究者のみならず、地元住民の生活を守ることにもつながるとアピールした。
 花巻農高の2人は、都内で農産物の販売会を実施した際にILCをPRしたエピソードを交え、「ILCはまだまだ知られていない」と痛感したことを紹介。ベルさんも情報発信、特に外国人向けの対応について触れ「どんなに情報を発信しても、実際のおもてなしが不十分だと良くない」と指摘した。
 達増知事は「ILCを通じて岩手を舞台により良い未来をつくろうという思いを県内外の人たちと共有したい。県として努力を重ねていきたい」と述べた。
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