人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

ILC誘致 要望活動や広報強化(岩手県の推進協)

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tanko 2019-6-11 19:10

写真=盛岡市で開かれた県ILC推進協議会の本年度役員会

 北上山地が有力候補地となっている素粒子実験施設、国際リニアコライダー(ILC)の誘致実現を目指す岩手県ILC推進協議会(会長・谷村邦久県商工会議所連合会長)は10日、盛岡市内のホテルで本年度役員会を開き、日本政府が早期に誘致を決めるよう要望活動、国内外の広報、調査・研究の強化を確認した。ILC誘致実現には、来年5月に始まる欧州の「素粒子物理戦略」に、ILCへの協力体制が盛り込まれる必要があるとされている。谷村会長を始め小沢昌記奥州市長を含む誘致関係者らは12日、都内で国会ILC議連の河村建夫会長、自民党の二階俊博幹事長らと面会し、誘致の明確な意思表明を求め要望する。

 役員会で谷村会長は「活動が活発化した今年こそ、最後の最大のヤマ場。政官学民の皆さんとともに全力を尽くしたい」と力を込めた。12日は東北ILC推進協議会、北海道東北知事会、北海道・東北六県議長会の関係者らと共に河村、二階両氏の元を訪れるほか、内閣官房、内閣府、文科省、復興庁などへの要望も調整中という。
 国内外へのPR活動にも力を注ぐ。10月28日から11月1日にかけ、仙台市で開かれる素粒子物理学者らによる国際会議「LCWS2019仙台」では、東北の加速器関連企業やILC建設参入に意欲的な企業40社がブースを出す。
 総会後は、東京大学素粒子物理国際研究センターの山下了特任教授が、ILC計画の最新状況を説明。東京五輪以降の成長戦略などの議論が表面化しているといい、▽ILCサポーターズなどによるイメージ向上▽ILCビジョンの構築と人材確保▽オールジャパンの有識者による現地施設の設計▽文科省以外の省庁にも誘致を望む地域の声を届けること――を進めるとした。
 山下特任教授は「3月の政府、文科省の見解では誘致に至らなかったが、省庁をまたいだ意見の集約は異例の事態。国内外でのILCへの注目と期待が高まった。これを追い風に、地元の活動を強化してほしい」と訴えた。
 同協議会は県内の経済団体を中心に、産学官民で組織。昨年度現在の会員数は619会員(法人など543、個人76)となっている。
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