人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

『会長島耕作』作者の弘兼氏講演 ILC実現へ「一緒に」

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tanko 2019-3-29 19:00
 岩手県と県国際リニアコライダー推進協議会(谷村邦久会長)は27日、盛岡市愛宕下の盛岡グランドホテルで、国際リニアコライダー(ILC)計画の推進を図る講演会を開いた。研究者らが国内外の情勢を語ったほか、漫画雑誌「モーニング」で連載中の『会長島耕作』作者の弘兼憲史氏(71)が同作品のILC編について紹介。今月7日に政府がILCに初めて関心を表明したことを受けて、関係者が一丸となり誘致の実現へ意識を高めた。
 講演で弘兼氏は、「会長島耕作」の第1話、2話をスライドショーで見せながら、取材で得た見識で分かりやすく解説した。7日の政府の表明については「本当に、はらはらしながら(発表を)待っていた」という弘兼氏。正式表明とはならなかったが「戦いはこれから。岩手県にプロジェクトを持ってくるように、皆さんと頑張りたい」と力強く述べた。
 講演後、取材に応じた弘兼氏は「漫画の影響は大きいと思っている。私がILCを知ったのは昨年4月だったが、日本の皆さんに知っていただきたいと思った。震災で疲弊していた東北の新しい活力に協力できれば」と思いを語った。
 地元での盛り上がりについては「一ノ関駅に降りるとILCの掲示板などがあり、意気込みがすごいと思った。地元では報道されているが、東京では取り上げられず残念に思う」とし、「(漫画を)読んでいただき、日本がいいチャンスをもらっているということだけでも(全国に)伝われば」と強調した。
 また、7日の政府の関心表明について「国民がもっとILCのことを知って、民衆の力で(ILCに)賛成しようという機運を盛り上げてほしい」とし、今後の動向次第で同シリーズに取り上げることも語った。
 達増拓也知事は「(政府の)関心表明を大いに歓迎する。ILCを通じて岩手、東北が世界の科学と人類の未来に貢献できることは、震災被災地として大きな意義のあることと考える。いま、ILCの実現が近づいている。私たち岩手東北は準備ができている」と強調した。
 講演会は、関係者約400人が出席。弘兼氏の講演のほか、早稲田大の駒宮幸男教授、高エネルギー加速器研究機構(KEK)の岡田安弘理事がILCに関わる国内外の情勢を語った。

写真=「会長島耕作」のILC編について講演する弘兼憲史氏
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