人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

スピード感もってILC誘致促進を(いわて推進会議が総会)

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tanko 2019-3-24 16:50
 素粒子実験施設「国際リニアコライダー(ILC)」誘致実現を目指す民間団体、いわてILC加速器科学推進会議(海鋒守代表幹事)の総会は23日、水沢星ガ丘町の奥州宇宙遊学館で開かれた。今月7日に示された文部科学省見解では、誘致表明は得られなかったものの、「関心を持って国際的な意見交換を継続する」との方向性が示されており、海鋒代表は「さらなる誘致促進活動にスピード感をもって取り組み、一刻も早く政府の誘致表明につなげたい」と活動の継続へ力を込めた。
 同推進会議は2012(平成24)年に発足。昨年12月末現在で企業127社、91個人・団体が会員に名を連ねる。ILCへの理解を深めるため、一般公開型の講演会やシンポジウムの開催、副読本の発行、関係諸団体の活動への参加などを行いながら、ILC誘致実現に向けた機運を高めている。
 今月7日に示された政府見解について、海鋒代表はあいさつで「政府がILCに対し初めて関心をもっているとしたこと、立地地域の建設による効果に言及したこと、国際的意見交換の継続意思を示したことは、大きな前進と捉えている」と評価。一刻も早い政府の誘致表明につながるよう、「引き続きご支援ご協力をお願いしたい」と会員らに求めた。
 総会では、2018年度事業報告と決算を承認したほか、新年度事業計画、活動予算について協議。事業計画には例年、講演会やシンポジウムの内容を盛り込んでいるが、誘致に関する政府表明が今月までずれ込んだことから内容や講師の決定ができなかったため、開催に向け4月以降の早い段階で立案することを確認した。
 総会後、県南広域振興局副局長兼首席ILC推進監の飛鳥川和彦氏が「ILCの実現に向けて」と題し、ILCを取り巻く動向や国・県の予算、地域への説明状況について情報提供。地元住民の中に、放射線管理や自然環境への影響など誘致リスクを指摘する声があることに触れ、「危険と思われるものがあればきちんと説明し、住民のみなさんがILCが来てよかったと思えるものにしていかなければならないのが県の立場」と、説明責任を果たしていく姿勢を示した。

写真=新年度も誘致促進活動の継続を確認した、いわてILC加速器科学推進会議の総会
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