人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市西部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

【読者の声 源流】ILCで復興を予算措置に懸念

投稿者 : 
tanko 2019-3-16 11:30
 わたしは水沢に生まれ、福島の大学に進学し、現在は東京の大学院で研究をしている。ILCの誘致をめぐって行われた科学技術コミュニケーションを題材に、修士論文をまとめることを考えている。
 3年ほど前、帰省したときに喫茶店のオーナーから、ILCの誘致さえ決まれば、奥州市は仙台を超える国際研究都市になるという話を聞かされ、驚かされた。
 最近、幾人かの人が指摘するように、ILCは「そのようなもの」ではない。日本学術会議も指摘しているが、ILC固有の技術応用は、あまり期待できない。
 当たり前のことではあるが、ILCは、ヒッグス粒子の精密測定を目的とする基礎研究のための「実験器具」である。何らかの技術への応用、産業への発展を目的とするものではないのだ。
 何より、懸念していることは「ILCで復興」を目指すはずが、復興を妨げることになりはしないかということである。
 岩手県は、これまで「ILCで復興」というスタンスを打ち出している。推進する側とすれば、通常の科学技術などの枠外で予算措置を講じるべきと主張する。
 しかし、その予算はどこから持ってくるのだろうか。本来、学術関連予算から拠出されるべきILC予算を「復興予算」で賄うということは、分配されるはずだった予算が被災地に措置されないことになりかねない。
 わたしは、ヒッグス粒子の精密測定という学術的意義を軽視するつもりはないが、説明責任を果たした上で遂行されるべきである。
菅原風我(東京都)
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