人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市西部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

文科省が国際会議で見解説明へ(ILC誘致・政府意思表明期限まで2週間)

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tanko 2019-2-22 10:40
 【東京=児玉直人】 北上山地が有力候補地となっている素粒子実験施設「国際リニアコライダー(ILC)」の誘致実現に向け、日本政府に求められている国際協議開始の意思表明(EoI=Expression of Interest)の期限とされる3月7日まで2週間を切った。超党派国会議員で組織するILC議連(会長・河村建夫衆院議員)と、自民党のILC誘致実現連絡協議会(代表・河村議員)は21日、東京都千代田区の衆議院第一議員会館国際会議室で合同総会を開催。この中で文部科学省の磯谷桂介・研究振興局長は3月7日に都内で開催される素粒子物理関係の国際会議の場で、その時点での政府サイドの見解を説明すると明らかにした。誘致に期待を寄せる推進派関係者は、一刻も早い政府の意思表明を待ち望んでおり、出席した議員からは日本側のやる気をしっかり示さなければいけないなどと注文。同議連、同協議会として総力を挙げて政府レベルの国際議論を支援するなどとした決議案を全会一致で採択した。

 国際協力での建設が不可欠なILC。来年5月に策定が見込まれるヨーロッパの次期素粒子物理戦略に、ILCプロジェクトが搭載される必要があり、その前提条件として重要となるのが日本政府による意思表明だ。当初は昨年中と想定されていたが、日本学術会議の答申が昨年末になったことなども影響し、素粒子分野の国際研究者界が3月7日に都内で開かれる「国際将来加速器委員会(ICFA)」と「リニアコライダー国際推進委員会(LCB)」の合同会議開催日までに期限が引き延ばされていた。
 総会冒頭、河村会長は「3月7日までの意思表明実現に向け政府に対する働き掛けを進めている。候補地の地元のみならず、経済関係3団体からも政府の意思表明に期待する声明が出されており、これらの動きを受け止めて対応していかなければいけない」とあいさつ。研究者サイドや東北地方の誘致団体関係者、文科省担当者らがそれぞれ取り組みの現状などを報告した。
 文科省の磯谷局長は「関係省庁との協議なども踏まえ、(ICFAとLCBの合同会議が開かれる)3月7日には直接出向いて現状の見解を説明したい」と述べた。
 これに対し平野達男氏(参院岩手)は「日本学術会議はILCの科学的意義は認めている。日本政府がILC誘致に『やる気がない』と思われるような姿勢だけは避けてほしい」と注文。他の議員からも、海外の研究者らに政府の前向きな姿勢がしっかり伝わるようにすべきだとの声が相次いだ。
 その後、政府・立法府の責務としてILCの実現にまい進することや、国民理解を得られるための説明責任を果たすことなどを提言した決議案を全会一致で採択した。
 合同総会には、県立一関第一高校在籍中にILC実現の署名運動を展開した、東北大学理学部2年の金野遼大さんが出席し、同級生の浅利寛喜さん(岩手医科大学医学部2年)と共に集めた5664人分の署名簿を河村会長に提出。漫画「会長島耕作」でILC計画を取り上げている、弘兼憲史さんも「取材」のため会議の様子を傍聴した。

写真=日本政府の一刻も早い意思表明に期待する声が相次いだ国会のILC議連等の合同総会(衆議院第一議員会館)
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