人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市西部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

「ILCで地域発展」願う声も

投稿者 : 
tanko 2019-1-11 16:10
連載《「平成」の時代 節目の30年を振り返る》より

 「平成」は4月で幕を下ろし、5月から新しい元号となる。一つの節目ともいえる新たな時代に何を求め、期待しているのか。世論調査では、一般市民も高校生も「住みよさ」を志向している。住みやすさの定義として高校生は「都市化」を期待している。
 「住んでいる地域は今後がどうあるべきか」に対する高校生の回答(108人)をみると、「安心して暮らせるまち」「治安のいいまち」「落ち着いて暮らせる地域」が多い。その上で「都市化」「人口増による活性化、にぎわい」を挙げている。
 にぎわいづくりのために商業環境の充実・発展を望み、欲しいのは▽若者向けのショップ▽ネットカフェ▽娯楽施設▽若者交流の場――など。こうした回答の裏には、高校生ら若い世代にとって、魅力的な施設が少ないという事情があるといえる。

映画館が欲しい

 注目したいのが、この地に欲しい施設として「映画館」を挙げた高校生が5人いたこと。ネット社会となって映画館が全国的に減っている中、映画や映画館の魅力を見いだしたのだろうか、それとも無いものねだりなのか。興味深い。
 ほかに「ILC(国際リニアコライダー)で地域発展」を望む声や「雇用拡大を」「高齢者対応のショッピングセンターを」などの回答も。
 「クーラー設置など勉強に集中できる環境整備を」も高校生らしい。「交通の便を良くして」「電車の本数を増やして」の要望も数件あり、通学する高校生にとっては切実であり、「住みよさ」の条件といえる。
 交通の利便性を実現するにも、高校生が主張する人口増と都市化、経済活動の活発化が不可欠だ。
 同様の質問に、一般市民は「寛容で穏やかな市民生活」「若者、高齢者の共存」「お年寄りの生きがい」「互いに尊重し協力し合うまち」と回答。これが「住みよさ」の基本。デジタル時代が進むことによって、逆に「住民同士のつながり」を重視する傾向も見受けられる。
 ただし、中高年層から最も多かったのは、「若者を軸に据えたまちづくり」を望む声。「若者が安心して住み続けたいと思う地域」(60代)、「働きやすい、子育てしやすい環境」(50代)、「若い世代が安心して子育てできる社会」(20代)など。価値観が変化しようが、こうした意識は時代の必然のような気もする。

総 括

 新時代を担うのは現在の高校生を含む若者世代。少子高齢社会が進み、ライフスタイルが変化する中で、安心して暮らせる地域社会構築に対する若い力への期待は大きい。
 平成の後にはどんな社会が待ち受けているのか。調査結果が「平成の時代」の清算のすべてではないが、「ポスト平成」時代のの地方のまちづくりの進むべき方向と施策がみえてくるのではなかろうか。
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