人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

もう一つの国内候補地九州初視察へ 岩手県ILC推進協が2月23日に

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tanko 2013-2-7 16:40
 岩手県国際リニアコライダー推進協議会(会長・元持勝利岩手県商工会議所連合会長)は23日から2日間の日程で、福岡と佐賀の両県にまたがる脊振山地などを視察する。同山地は本県の北上山地とともに、国際リニアコライダー(ILC)の国内候補地となっている。北上山地誘致を目指す同協議会が、他候補地を視察するのは今回が初めて。脊振山地のほか、昨秋開学した沖縄科学技術大学院大学(OIST)も訪ね、国際学術都市形成へのヒントを探る。

 ILCの北上山地誘致を目指す同協議会は、1月30日に茨城県つくば市の高エネルギー加速器研究機構(KEK)の視察会を実施。県内経済界の関係者ら約60人が参加した。
 同協議会は4月にスイスの欧州原子核研究機構(CERN)の訪問を計画しているが、KEK視察後に「脊振山地の様子も見ておいたほうがいいのでは」との話が持ち上がり、急きょ実施することになった。
 今回の視察はKEK視察時より小規模になるものの、奥州、一関、盛岡の商工団体や行政関係者らが参加する予定。脊振山地を取り巻く周辺都市を見て回り、立地環境の把握に努める。
 同協議会事務局の担当者は「脊振山地が福岡市の中心部や九州大学などの学術拠点からどのぐらいの位置にあるのか、まちの様子はどうなのかといった情報収集が中心」と強調。福岡、佐賀両県のILC担当者や地元の推進関係団体、関係者との懇談予定はないという。
 一行は23日中に沖縄県へ移動。翌日、沖縄県恩納村にあるOISTを視察する。
 2001(平成13)年に内閣府が設置提唱したOISTは5年一貫教育の博士課程で、世界各国から募る学生の受け入れ数は年間わずか20人前後に限定。生命科学や環境科学の将来を担う若者たちを指導する教授陣は、各国から招いた有能な科学者たちでノーベル賞受賞者も。学長のジョナサン・ドーファン博士(米国)は、加速器科学などを専門とし、ILCの設計作業にも関与した経歴を持つ。
 OISTでは、主に大学に通学または勤務する外国人とその家族の生活環境などを中心に視察。北上山地にILCを誘致する上でのまちづくりの参考にする。

 脊振山地…九州北部の福岡県と佐賀県の県境に位置し、東西に連なる800〜1000m程度の山々から成る山地。九州有数の多雪地帯で、北上山地の南部と同様に花こう岩による地盤となっている。山地内最高峰の脊振山(1055m)は日本三百名山の一つで、山頂には航空自衛隊と米軍のレーダー基地がある。
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