人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

ILCの仕組み 見える化 (推進モデル校の水沢工高1年生)

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tanko 2018-10-29 10:50
 創立50周年を迎えた県立水沢工業高校(南舘秀昭校長、生徒418人)の文化祭「水工祭」で28日、1年生有志が製作した国際リニアコライダー(ILC)の模型がお目見えした。模型は電気科、機械科、設備システム科、インテリア科の知識と技術を結集。来場者にILCがもたらす可能性をPRしながら誘致実現の機運を高めた。

 本年度からILC推進モデル校に指定されている同校。県内のモデル校内では唯一の工業系高校だ。文化祭に向け、「工業高校らしい企画を」と職員間で持ち上がり、全学科の1年生13人でILC推進プロジェクトを立ち上げた。
 模型は、直径約1mの球体で実験装置を改良して製作。球体の中をのぞくと両側からレーザーポインターの光が照射され、電子と陽電子が衝突し宇宙創成の謎に迫るILCの加速器を再現した。
 電気科が配線、機械科が装置の組み立てなど全学科の学びを総動員して組み立てた。今月初旬から製作に取り掛かり、当日朝まで調整が続けられたといい、入学後初めての大作を完成させた。
 模型製作に携わった電気科1年の高橋佳秀君(15)は「のぞき穴のフィルムを貼るのが苦労した。ILCは大きな経済効果をもたらし震災復興を加速させると期待している。地元誘致が実現したらILCに関連する企業で働きたい」と夢を膨らませた。
 生徒たちを指導した電気科の田頭将敬教諭(33)は「新しい分野に興味を持ち、意欲的にチャレンジしてくれた。この経験は将来必ず役に立つはず」と期待した。

写真=水沢工業高校の1年生が製作したILCの粒子衝突の瞬間を再現する模型
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