人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

ILCの日本実現「努力惜しまない」(関係する科学者が声明)

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tanko 2018-10-28 8:40
 北上山地が有力候補地となっている素粒子実験施設「国際リニアコライダー(ILC)」について、米国テキサス州アーリントンで開催中の国際会議「リニアコライダーワークショップ(LCWS)2018」の参加科学者と、国際研究者組織リニアコライダー・コラボレーション(LCC)は現地時間の24日、ILC実現に向けた強い意志を示した「テキサス宣言」を発表した。科学者らはILCの日本での実現のためには、あらゆる努力を惜しまないとする決意を示しながら、「われわれは前進するためのシグナルを待ち望んでいる」と訴え、日本政府がILCをホストする意思を表明することに、これまで以上に強い期待感を示した。
 LCWSは毎年開催されているリニアコライダー関係の国際会議。一昨年は盛岡市が会場になった。
 声明文では「日本政府がILCをホストする意思を表明すれば、必要な国際合意を得るため、それぞれの政府に対してこれまで以上に集中的に働き掛ける。ILC計画が本格的に動きだしたら、約束通りの成果を達成する用意がある」と主張している。
 ILCを推進する世界の高エネルギー物理研究者は、これまでも国際会議などの機会を利用してILC実現に対する「宣言」を発表。科学的意義と技術的なメリットをアピールしてきたが、今回はより一層強固な決意をにじませた内容となった。日本政府の判断に影響を与えるとされる日本学術会議の審議で、委員からILC計画に厳しい意見が相次いでいることが背景にあり、科学者サイドの本気度をより強く示したとみられる。
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