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政府の方向性決定 資する見解を(KEK機構長、学術会議検討委に注文)

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tanko 2018-10-2 10:00
 【東京=児玉直人】 素粒子実験施設・国際リニアコライダー(ILC)の国内推進母体となっている、大学共同利用法人高エネルギー加速器研究機構(KEK、茨城県つくば市)の山内正則機構長は1日、日本学術会議の「国際リニアコライダー計画の見直し案に関する検討委員会」(家泰弘委員長)に参考人として招かれた。山内機構長は、ILC実現へ「『今年中』とされるのは、ILCに対する日本政府の方向性についての表明。政府の判断はこれで終わりではなく、本準備段階の開始とILC建設の各国政府合意の場面でも求められる」と強調。同委員会委員に対し「準備が全て整ったので最終判断をいただきたいとは申し上げていない。日本政府の方向性決定に資するような見解を示してほしい」と理解を求めた。

 同委員会では、北上山地が有力候補地となっているILCの国内誘致について、8月10日から素粒子物理学以外の分野を専門とする研究者らを交えて議論を深めている。これまで科学的意義や資金・人材調達などについて委員から出された質問、指摘事項について誘致推進側の素粒子物理学者らが参考人として説明に当たっている。
 同日は、山内機構長がKEKとILC計画の関係について応じたほか、東京大学素粒子物理国際センターの浅井祥仁教授が全長約20kmの施設規模に見直したことによる研究意義などについて解説した。
 山内機構長は説明の冒頭、同委員会委員から指摘されている海外貢献や組織・人員計画、KEKの改編などについて「(今年中とされる)日本政府の方向性決定を受けて進めるもの。方向性表明の前にやるべきことはやってきたと考えているので、方向性の決定に資するような見解を示してもらえれば」と訴えた。
 KEKは、原子核物理学など素粒子物理学に近い学術分野の研究者から理解、協力を得るために各種セミナーなどを開催。これに対し、委員の一人は「ILCに興味がある人は行くだろうが、関心がない人や否定的な人は行かないと思う。原子核物理などのコミュニティーに対して、積極的に説明に行こうという印象をあまり感じない」と指摘。山内機構長は、KEK内の原子核物理の研究者へは説明をしているとしながら「今までので十分とは言えない部分もあるので、しっかりやっていきたい」と述べた。
 日本にILCを誘致する意義に関する質問に応じた浅井教授は、「ILCを日本に造らないとなれば、似たような実験施設をCERNに造り、そこで進めることになるだろう」との考えを示した。その上で「日本は技術立国というのであれば、このような研究所で人材を育てていくことが大切だ」と強調した。
 会議後、報道陣の取材に応じた家委員長は「委員会で示した論点について、詳しい説明があったが、まだもやもやしている面もある。8月に委員会をスタートさせたが、個人的には年を越さないようにまとめをしていきたい」と話していた。

写真=日本学術会議で開かれたILC計画見直し案に関する検討委員会第6回会合(東京都港区)
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