人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

新型スパコン本格運用(国立天文台水沢)

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tanko 2018-6-2 18:40
 水沢星ガ丘町の国立天文台水沢VLBI観測所(本間希樹所長)で1日、天文学専用スーパーコンピューター(スパコン)の新型機「アテルイ?」が本格運用を開始した。従前機「アテルイ」の3倍の演算スピードを誇る新型機は、銀河の誕生経過などをより現実的に再現できるようになり、宇宙誕生の謎解明に期待が掛かる。
 同天文台のスパコンは、天文シミュレーションプロジェクト(プロジェクト長・小久保英一郎教授)が運営。先代のアテルイは、機器更新に伴い今年3月に運用を終えていた。
 アテルイ?は、2013(平成25)年の従前機導入時に比べ6倍、2014年のアップグレート時から3倍の性能アップを果たした。1秒間に約3000兆回の計算ができ、天文学専用のスパコンとしては世界最速の理論演算性能を誇る。
 銀河系に散らばる数千億個の星や超新星爆発などを再現することで、銀河の誕生と進化や恒星と惑星系の起源など宇宙の謎解明に近づけるという。アテルイ?は、東京都三鷹市の同天文台本部と専用の高速ネットワークで結ばれ、審査を経た日本全国の研究者がログインして無料で利用ができる。
 同日、アテルイ?始動の記者会見が同天文台水沢キャンパスで行われ、本間所長や小久保教授らが報道陣にアテルイ?の性能を解説し、外観を公開した。小久保教授は「より細かく現実的なシミュレーションが可能となり、宇宙の謎を解き明かす段階が一歩先に進む」と自信。本間所長は「今夏のイベントで一般公開を予定している」と話した。

写真=本格運用をスタートさせたアテルイ?
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