人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

奥州市長に小沢氏3選 6,669票差、三つどもえ制す

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tanko 2018-3-6 11:30
 任期満了に伴う奥州市長選は4日投票が行われ、即日開票の結果、現職の小沢昌記(まさき)氏(59)=無所属=が2万7767票を獲得し3選を飾った。高い知名度を背景に地元水沢をはじめ全域で幅広く集票。新人の佐藤邦夫(くにお)氏(70)=無所属=を破り、佐藤洋(ひろし)氏(63)=同=を振り切った。市議選の投開票も行われ、新人9氏を含む議員28氏が決まった。

 市長選は、現職の市政継続か、いずれかの新人による刷新かが最大の焦点だった。三つどもえの争いとなったのは、2006(平成18)年の奥州市発足による初代市長選以来12年ぶり。投票率は64.25%で、現新一騎打ちの前回選(67.73%)を3.48ポイント下回った。
 3選を果たした小沢氏は、高い知名度を生かし地元水沢や胆沢で広く浸透。江刺や前沢、衣川で苦戦を強いられたものの、一定の浮動層も取り込み票を積み上げた。5区35支部の組織を再構築し支持を拡大。市町村合併による市の体制構築に取り組んだ2期8年の実績と次期の「飛躍」をスローガンに掲げ、協働のまちづくり推進、子育て環境充実などの訴えが実った。
 佐藤邦夫氏は、地元江刺や前沢、衣川で厚い支持を集めたものの、大票田・水沢を切り崩せず一歩及ばなかった。佐藤洋氏は、地元水沢や胆沢を中心に支持を得たが、全域で浸透し切れなかった。
 当選証書付与式は、6日午後1時半から市役所江刺総合支所1階多目的ホールで行われる。
 4日現在の有権者数は10万692人(男4万8212人、女5万2480人)。
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市長選 開票結果
当 27,767票 小沢 昌記(59)無現
   21,098票 佐藤 邦夫(70)無新
   14,785票 佐藤  洋(63)無新
(市選管確定・午後11時35分)
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 小沢昌記氏(おざわ・まさき) 東京経済大卒。1996年度水沢青年会議所理事長。旧水沢市議2期、2006年には奥州市議に当選し議長を務めた。2010年、奥州市長選に初出馬し当選、現在2期目。水沢区字東町23の3。同区出身。59歳。
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「連帯」で結ばれた市を(当選から一夜明け小沢昌記さん)

―― 一夜明けた気持ちと3期目の決意は

 何よりも、支持をいただいた皆さまに心から感謝する。三つどもえの選挙でそれぞれの候補者が訴えた政策が多くの支持を集めたことを真摯に受け止め、政策に取り入れるべき部分について配慮したい。住んで良かったと思っていただける、幸せを実感していただける奥州市となるよう一層努力する。

――自身はどの部分で支持を得たと考えるか
 説明不足を補う訴えができた選挙運動だった。旧5市町村合併は、ルール統一や財政の健全化を全て新市に引き継いだ。これは、五つのものを一つにまとめるという最も重要なポイントだった。合併効果を発揮できる土台づくりのために行財政改革に力を尽くしてきた。発展のための土台がほぼ完成したので継続させていただきたいと訴え、支持につながったと考えている。

――次点候補との得票差をどう考えるか
 今回は全体で約6万5000人に投票をいただき、1位と2位の7000弱の票差は全体の1割を超えており、大きな支持をいただいたと考えてもいいのではないか。ただ、2位と3位の2氏を足せば、私の獲得票数よりはるかに多い。十分な配慮をしながら、市は一つという名の下に、連帯の絆で結ばれた市をつくりたい。

――まず取り組む課題は
 子育て環境の充実に向け、相談窓口やサポート施設など妊産婦の包括的サービス事業を展開する。これは6月議会で予算提案したい。子どもの医療費の助成拡大、まちづくり交付金の増額あるいは支援メニューの拡大を検討していく。

写真=3期目の決意などを語る小沢昌記さん=市役所本庁

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【基本情報】
 ※奥州市(おうしゅうし)……岩手県南部の胆江2市町を形成する市で、旧水沢市、旧江刺市、旧前沢町、旧胆沢町、旧衣川村の5市町村が合併し2006年2月20日に誕生した。周囲は金ケ崎町、一関市、平泉町、北上市、住田町、花巻市、遠野市、西和賀町、秋田県東成瀬村に接する。人口は118,771人(2018年1月31日現在)。
 中央を北上川が流れ、川の西側は胆沢(いさわ)郡、東側は江刺(えさし)郡とされていたことから、双方の頭文字を取り奥州市と金ケ崎町の2市町は「胆江(たんこう)地方」と呼ばれている。
 古くから農畜産業が盛んであるとともに、南部鉄器や岩谷堂箪笥などの伝統工芸も息づく。かつては、県南の商都といわれるほど水沢駅周辺や江刺区岩谷堂の中心市街地は活気を帯びていたが、車社会の到来と郊外への大型店進出などにより衰退の一途をたどる。
 人口減少、高齢化社会を見据えた地域振興策、地域医療の充実、合併前の旧市町村間の一体感情勢などが主な市政課題となっている。
 ILC建設候補地の北上山地は、江刺区東部の中山間地域に位置。東北新幹線・水沢江刺駅から車で15分程度でたどり着く。

 ※奥州市長選・市議選……任期満了に伴い2月25日告示。新人の佐藤洋氏(63)、現職の小沢昌記氏(59)、新人の佐藤邦夫氏(70)の3氏(届け出順)が立候補した。ILC計画に関しては3候補とも誘致に積極的に関わる姿勢を打ち出し、研究者らの受け入れ態勢のみならず、地域産業と絡めた対応策、企業誘致などに取り組む姿勢を示していた。
 市議選は市長選と同日告示、同日投開票。定数28に対し30氏が立候補した。ILCに関しては市長選3候補と同様、選挙戦を通じ誘致実現とまちづくりとの連動を主張する候補者も見受けられた。
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