人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

昨年ノーベル賞のバリッシュ氏(米国)ILCに対し強い支持

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tanko 2018-3-1 10:40
 昨年のノーベル物理学賞受賞者の一人で、米国のカリフォルニア工科大学名誉教授バリー・バリッシュ氏(82)は、北上山地が有力候補地となっている素粒子実験施設「国際リニアコライダー(ILC)」に対し、強い支持を表明した。
 バリッシュ氏は、重力波観測に世界で初めて成功した研究施設「LIGO(ライゴ)」の研究責任者などを歴任。国際的なプロジェクトに育て上げたことなどが認められ、同じプロジェクトに携わった米国人研究者2人とともに、ノーベル物理学賞を手にした。
 LIGOで大きな実績を残したバリッシュ氏だが、ILCの技術設計報告書(TDR)をまとめ上げた国際共同設計チームの最高責任者を務めた経歴もある。2012年1月には江刺区や一関市を訪れ、ILC候補地である北上山地を視察している。
 今回の表明は、インターネット動画サイト「You tube(ユーチューブ)」を通じて行われた。
 バリッシュ氏は、2013年に欧州合同原子核研究機構(CERN)の実験施設・大型ハドロン衝突加速器(LHC)でヒッグス粒子が発見されたことに触れ、「ヒッグス粒子発見はノーベル賞にもつながった。今後は、どのように質量が生み出されるかヒッグス粒子のメカニズムをしっかり理解する必要がある」と指摘。「その謎に手が届く場所まで来ている」と述べ、ILCの重要性を説いた。
 バリッシュ氏は「私たちは(ILCの)設計を本物に変えたい」「(ILCは)私たちの知識を超えた場所に連れて行ってくれる。私は最も強い言葉で、ILCへの支援を表明する」と結んだ。
 バリッシュ氏の動画のアドレスは
https://youtu.be/j5PPW8oBLSw
You tube内の検索欄に「バリッシュ ILC」と入力しても表示される。動画の下に表示されるメニューを操作すると、日本語字幕も表示できる。

写真=動画サイトを通じILCへの支持を表明するバリー・バリッシュ氏 (You tubeより)
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