人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

設計の進捗見定め検討 (国内誘致巡り安倍首相)

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tanko 2013-4-4 15:10
 北上山地への誘致が期待される国際リニアコライダー(ILC)について安倍晋三首相は、2日に開かれた衆議院予算委員会で「政府としては研究者レベルでの国際的な設計活動の進捗状況を見定めながら検討したい」と述べた。今夏にも国内候補地が北上山地か脊振山地(北九州)のいずれかに一本化されるが、関係者によると政府の正式表明はそれ以降になる見通しだ。

 同委員会では、民主党の原口一博元総務相(比例九州)が「ILCについては国際社会から大きな期待が寄せられている。政府が腰を据えてやるという決断をこの内閣でやってもらいたい」と政府側の見解をただした。
 安倍首相は「(ILCを)日本に置くことによって、多くのトップレベルの物理学者、科学者が集まる。それだけでも、そこからさまざまなイノベーション(技術革新)が生まれる。他方、巨額な経費が必要になることもあり、留意する必要がある」と述べた。現時点では研究者レベルの設計活動などを見定めながら対応を検討する考えを示した。
 約8000億円とされるILC建設費用のうち、建設国はその半分を負担することが現時点で見込まれている。ILCを推進する科学者レベルでは、日本での実現を求める雰囲気が高まってきているが、費用負担などについては関係国との政府間交渉が必要となる。
 この点について、県政策地域部副部長の大平尚・首席ILC推進監は「研究者間のスケジュールでは、今年末までに意思表示をしてもらえればいいという方針。まずは国内2つの候補地を絞り込むことが必要で、政府の正式表明はそれ以降の話になるだろう」と説明。国内候補地の決定は、7月の参院選後になると予想されている。
(児玉直人)
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