人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

ILC関連 3390万円増 (岩手県の新年度当初予算案)

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tanko 2018-2-6 18:50
 岩手県は5日、歳入歳出をそれぞれ9533億4800万円とする2018(平成30)年度一般会計当初予算案を発表した。東日本大震災の復興関連事業がさらに進んだことで、2017年度当初比で263億8500万円(2.7%)減少した。予算規模は縮小しているものの、人口減少がさまざまな分野に影響を及ぼしている実態を踏まえ、県ふるさと振興総合戦略(2015年度策定)に基づいた取り組みに力を入れる。国際リニアコライダー(ILC)誘致実現に向けた調査研究事業費は、同比3390万円増の1億490万円とした。当初予算案は15日招集予定の県議会2月定例会に上程し、審議される。

 県予算は大震災発生翌年の2012年度以降、一般的な行政運営や全県を対象とした予算を「通常分」、震災復興に関連した予算を「震災分」に大別している。
 2018年度の通常分予算は、6684億4100万円で、2017年度当初比69億6200万円(1.0%)減。震災分は2849億700万円で、同比194億2200万円(6.4%)少ない。
 通常分歳入のうち自主財源は2743億2300万円で通常分総額の41.0%に相当する。依存財源は3941億1800万円で、通常分の59.0%を占める。自主財源は2017年度当初比0.5%、依存財源は同比1.4%それぞれ少ない。
 通常分歳出は、人件費などの義務的経費が3013億300万円で、2017年度当初比98億3000万円(3.2%)減。投資的経費は939億9200万円で、同比3.7%増。補助費や貸付金などを含むその他経費は2731億4700万円で、同比0.2%減とした。
 2018年度についても、大震災や一昨年の台風10号被害からの復旧・復興に最優先で取り組む方針。災害公営住宅整備事業費は48億6330万円で、沿岸市町村のほか内陸部への整備を進める。台風関連では、岩泉町などの河川復旧・改修事業費に総額約117億2430万円計上した。
 災害関連以外で重要視しているのが「ふるさと振興」。人口減少に歯止めをかけるため、県ふるさと振興総合戦略に掲げた「働く」「育てる」「暮らす」の3分野に基づいた取り組みを展開する。
 各種産業振興や定住化促進を図る「働く」では、水稲や園芸作物などの産地化・競争力強化を図る取り組みを支援する「強い農業づくり交付金」は8億9800万円。ものづくり産業の高度技術・技能人材育成事業に2億5000万円計上した。
 子育て支援や出生率向上を目指す「育てる」に該当する事業では、周産期医療対策費として3億2700万円、新生児のヘリコプター搬送用設備整備の経費補助として500万円を盛り込んだ。市町村が行う地域子育て支援拠点事業や一時預かりなどへの経費助成は、2017年度当初より1億5060万円多い14億6760万円とした。
 地域社会の魅力向上や医療福祉の充実、文化・スポーツの振興などに関する「暮らす」の分野では、津波で被災したJR山田線・宮古〜釜石間を三陸鉄道(株)に経営移管するための交付金として19億9900万円を投じる。
 文化・スポーツ関係は「ラグビーワールドカップ2019」「東京オリンピック・パラリンピック(オリ・パラ)」を意識した事業がめじろ押し。県産材をオリ・パラ選手村施設に使用する事業に3300万円。GAP(農業生産工程管理手法)を取得し県畜産品のオリ・パラ施設供給などにつなげる事業に900万円計上した。
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