岩手県奥州市・金ケ崎町をエリアとした地域新聞社による国際リニアコライダー(ILC)関連記事を掲載。 奥州市東部の北上山地は、現時点における世界唯一のILC候補地に選定されました。当サイトにはILCをはじめ、理系分野やILCに関連性のある地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)についての記事を随時アップします。

ILC誘致実現、どれだけ待てば… (回顧2017年 記者取材メモから)

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tanko 2017-12-24 11:40
 国際リニアコライダー(ILC)の話題を追い続け8年。ILC計画の存在を初めて私に教えてくれたのが、当時県議だった故・亀卦川富夫さん。あす25日は一周忌だ。
 日本が中心となり、国際的な大型プロジェクトを実現させるのは、実はILCが史上初だという。それだけでも、注目すべきことなのだろうが、なかなか「世論」の表舞台に出てこない。何かと社会に影響力のある大手新聞や在京キー局が、時間やスペースを割いて取り上げている状況にはない。誘致関係者も「なぜだろう」と首をかしげる。よほど素粒子物理学は“マスコミ受け”の悪い分野なのか。
 年明け早々、ジャーナリスト・池上彰氏による講演会が胆沢文化創造センターである。その池上氏は先日、テレビの特番で「働き方改革」に関する問題を取り上げていた。仕事に対する日本と海外との考え方の違いを紹介していた。
 日本人はリスクを回避するあまり、会議や準備作業に時間を費やしている。結果、担当者が抱える業務は増え、健康面にも影響が出ているとのことだ。
 リスク回避が、実は別の大きなリスクを招く可能性もある。本紙22日付の「ILC科学相談室」でも取り上げた。
 ILC誘致の検討作業にも何か似たようなものを感じる。日本が丁寧に時間をかけて議論を積み重ねているうちに、中国ではまるで「世界の素粒子物理の中心」を狙っているかのような動きが着々と進められているそうだ。
 4年前、国際研究者組織リニアコライダー・コラボレーション(LCC)の副責任者を務める村山斉氏は、私の取材にこう答えた。「国際的な大プロジェクトでは何が起こるか分からない。ILCも辛抱強く待つことが求められる」。出前授業を受け、講演会に動員させられ、熱意を示してほしいと求められた候補地の地元は、あとどれだけ待てばよいのだろう。
(児玉直人)

写真=今月5日に開かれた文部科学省の第8回ILC有識者会議。研究者側が段階的建設方針(ステージング)を示したことを受け検証作業部会を設置している
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