人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

ILC加速空洞の樹脂模型も(北上でテクノメッセ2017)

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tanko 2017-10-28 16:20
 北上市と金ケ崎町の企業などが「ものづくり力」を広く紹介する「きたかみ・かねがさきテクノメッセ2017」が27日から29日まで、北上市の北上総合体育館で開かれた。初日は、児童生徒を対象に見学会が催され、町立金ケ崎中学校を含む17校約2000人が県内各地から来場。企業や大学、高校などの各展示ブースを巡り、それぞれの技術に直接触れることで、ものづくりの魅力を体感した。


 製品や最新技術などの展示・体験を通し、北上・金ケ崎地域の高い工業集積力をアピールしようと隔年で開催。北上工業クラブが主催し、北上市、金ケ崎町、北上商工会議所、県が共催する。業務内容や雇用情報を高校生らに提供することで、若い人材の確保を狙うとともに、小学生から楽しめる展示内容とすることで、将来のものづくり人材育成につなげたい考えだ。
 今回のテーマは「知ろう 地域のものづくり」。両市町内に事業所を展開する飫の企業や団体、県内の教育機関などが出展。同町からは▽アイシン東北▽ジーエフトップ▽デンソー岩手▽トヨタ自動車東日本▽FTS▽真柴商会(ドローンスクールジャパン岩手金ケ崎校)――が参加している。
 会場内では、それぞれの専門技術を実験や遊び感覚で楽しめるよう工夫された展示が目立った。金ケ崎中1年の祝田遥香さん(13)は「直接触れられるのがいい」と話し、友人たちと積極的に体験を重ねていた。
 北上市の樹脂製品製造業のWING(高橋福巳社長)は、国際リニアコライダー(ILC)の心臓部に当たる超伝導加速空洞の樹脂模型と射的ゲームを組み合わせ、電子が空洞内を進むイメージを伝えた。高橋社長は「この先、何年もかけて造られるILCは、今の子どもたちのためのもの。楽しみながら技術に触れることで興味関心を持つきっかけになれば」と、次々とブースを訪れる中高生に期待を込めた。
 会場内では、岩手県立大学や県立産業技術短期大学校、黒沢尻工高なども出展し、研究の成果を披露。金ケ崎中1年の稲邑悠人君(12)は「いろんな取り組みをしていて、格好いいと思った」と刺激を受けた様子で、「宇宙工学に興味がある。自分も挑戦してみたい」と、ものづくりへの思いを強くしていた。

写真=各出展ブースを回り、熱心に見学する金ケ崎中生たち。ILCの心臓部に当たる超伝導加速空洞の樹脂模型展示コーナーが人気を集めた
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