人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

米本土に刻まれる「MIZUSAWA」 ゲイザースバーグ緯度観測所の写真寄贈

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tanko 2017-10-9 12:20
 旧水沢緯度観測所(現・国立天文台水沢VLBI観測所)とともに、国際緯度観測事業(ILS)の観測点だった米国メリーランド州ゲイザースバーグ市の「ゲイザースバーグ緯度観測所」の写真が8日、同VLBI観測所と奥州宇宙遊学館に寄贈された。寄贈したのは、ゲイザースバーグ市近くのモンゴメリービレッジに住むトーマス・ラッカーズさん(62)。来日の機会に合わせ、水沢の関係者に直接写真を届けた。公園として保存されている観測所跡地の通路には「MIZUSAWA」の文字が刻まれており、国際協力の下、観測が行われていたことを今に伝えている。
(児玉直人)

 ILSは北緯39度08分上に観測所を設け、地球の自転によって生じる緯度変化を調べる研究事業。世界4カ国、全6地点に、ほぼ同一仕様の観測施設と装置を設置した。
 ゲイザースバーグ市は、ワシントンDCの北西約30kmに位置。1899年に緯度観測が始まり、第1次、第2次大戦中を除き1982年まで観測が続けられた。その後、ゲイザースバーグ市唯一の国定歴史建造物に指定された。
 観測小屋へ続く通路の中心部には赤い石畳が敷かれ、北緯39度08分の線を表現。その両側には、他の観測所の所在地などが刻まれており「MIZUSAWA JAPAN」の文字もある。
 宇宙航空関連の企業に勤めた経験を持つトーマスさんは、弓道や日本の鉄道に関心がある親日家。所属する鉄道模型サークル「ジャパン・レイルモデラーズ・オブ・ワシントンDC(JRM)」は、水沢区を拠点に活動している「岩手鉄道模型仲間の会」(佐藤徳代会長)と姉妹クラブ関係にある。
 2年前、同仲間の会会員と交流するため初来日。その際、宇宙遊学館やVLBI観測所内を見学したが、ゲイザースバーグ観測所の説明文を見つけ、自宅近くに跡地があることを初めて知った。
 娘のテレサさん(32)と共に、2度目の来日を果たしたトーマスさんは、遊学館指定管理者であるNPO法人イーハトーブ宇宙実践センターの大江昌嗣理事長と、VLBI観測所の亀谷收助教に写真を手渡した。
 トーマスさんは「2年前に水沢を訪れるまで、ゲイザースバーグに緯度観測所があったことすら知らなかった。私にとって新しい良い出会いとなった」と感慨深げ。
 大江理事長は「公園として奇麗に保存し、そこに水沢の名が刻まれていることに敬意を表したい。互いの都市の友好関係に発展していけばすばらしい」。亀谷助教も「2年後には緯度観測120周年を迎えるので、このような情報や話題を共有できれば」と話していた。
 寄贈された写真は、遊学館と木村栄記念館にそれぞれ展示する方針だ。

写真上=トーマス・ラッカーズさん(右)から写真の寄贈を受ける大江理事長(中)と亀谷助教
写真下=ゲイザースバーグ緯度観測所跡地に刻まれている「MIZUSAWA」の文字
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