岩手県奥州市・金ケ崎町をエリアとした地域新聞社による国際リニアコライダー(ILC)関連記事を掲載。 奥州市東部の北上山地は、現時点における世界唯一のILC候補地に選定されました。当サイトにはILCをはじめ、理系分野やILCに関連性のある地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)についての記事を随時アップします。

ILC 身近に理解(金ケ崎町が主催し初の出前授業)

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tanko 2017-7-15 12:00
 金ケ崎町は本年度、町内小学校を対象に国際リニアコライダー(ILC)の出前授業を実施した。町主催としては初めての試み。13日は町立三ケ尻小学校(川戸司朗校長、児童111人)の5年生19人が、アルファ線や電子の飛跡を観察する霧箱実験に挑戦。線状に発生する霧を確認すると歓声が上がり、素粒子物理学を身近にした。
 同町内では、県南広域振興局による出前授業を中学校で行っているが、小学校を対象とするのは2014(平成26)年6月に町教育委員会が実施して以来。本年度は永岡、三ケ尻、金ケ崎の3小学校で繰り広げた。
 講師を務めた東北大大学院理学研究科の佐貫智行准教授は、「空気は暖めると体積が増え、冷えると小さくなるのはなぜか」と、小学4年生の理科の復習から素粒子の世界へと児童たちを招き入れた。ビーズを入れた筒を振ることでスポンジの栓が押し出される様子を見せ、「空気も小さい粒が集まっていて、暖かくなると素早く動き回る」と素粒子の存在を説明した。
 「身の回りのものは、電子とアップクォーク、ダウンクォークという三つの粒、素粒子でできている。だからみんなの体も粒々の間は隙間だらけ」と話す佐貫准教授に、驚きの声を上げた児童たち。素粒子測定器の原理になっている「霧箱」を用いた実験では、アルコールが霧状になって浮かび上がらせるアルファ線や電子の飛跡を夢中になって観察した。
 佐貫准教授は「小さな粒をもっと大きな装置で見るのがILC。世界の人が世界に1カ所だけ造る世界的な施設ができる」とし、「理科が好きな人は理科を頑張って。でも、学者だけでなく、おもてなしをする人、生活をサポートする人など、活躍する人がたくさん必要。1人でも2人でも多くのみなさんと一緒に働けることを願っている」と語り掛けた。
 鈴木悠真君(11)は「光が走って跡が残ったように見えた。粒で体ができているという話は本当かなと思ったけれど、こんな小さな粒が体を作っているのに驚いた」と興味津々。「ILCができて、世界中から人が集まる地域になったら、本当にすごいと思う」と目を輝かせた。

差真=東北大の佐貫智行准教授と一緒に、アルファ線などの飛跡を確認する三ケ尻小児童
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