人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

奥州きらめきマラソン、4000人激走(台湾人やILC研究者の参加も)

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tanko 2017-5-22 12:00
 奥州市内三大マラソンを統合し新設された「いわて奥州きらめきマラソン」は21日、前沢区の前沢いきいきスポーツセンターを発着点とする日本陸上競技連盟公認コースで行われた。目玉のフルマラソン(42.195km)を含む3部門に、全国各地や台湾から4034人(エントリーは4701人)が出場。強い日差しに大粒の汗を流しながら、炎天下の奥州路を激走した。この日は今年初めて最高気温が30度を上回る「真夏日」に。ランナーにとって厳しい暑さとなったが、沿道の大きな声援を力にゴールを目指した。

 開会式で、同マラソン実行委員会実行委員長を務める小沢昌記市長は「フルマラソン参加者のみの特典だが、北上川に架かる桜木橋の進行方向右手に、雪が残る焼石連峰が大変きれいに見える。ぜひ橋の上から奥州の山並みなども楽しみ、完走していただければ。きょう一日大いに楽しんで」とあいさつ。
 ゲストランナーの那須川瑞穂さん(37)=水沢区真城出身=も「記念の大会で地元に帰ってくることができうれしい。笑顔でゴールできるよう、皆さんと一緒に頑張りたい」と呼び掛け、国内外から集結したランナー一人一人の健闘を祈った。
 地元胆江地方はもとより、全国各地から多くのランナーが参戦。炎天下のレースに苦戦しながらも、自己ベスト更新を目指した。海外からは台湾のマラソン愛好家たち16人が出場し、完走した。
 台湾のランナーたちは全員、日本各地のレースに出場した経験はあるが、本県で開かれるマラソン大会出場は今回が初めて。「奥州市初のフルマラソン大会を盛り上げたい」という思いと「地方の観光を楽しみたい」との期待から参加。大会前日は宮城県の松島を観光したという。
 いずれも健脚ぞろいで、フルマラソンに13人、10kmに3人がエントリー。フルの部に出場した台中市出身の陳傅男さん(63)は、「10kmぐらいまでは風があって涼しく感じたが、時間が経過するにつれてずっと太陽に照らされ暑かった」と炎天下のレースを振り返った。「岩手は初めて来た。前沢牛を食べるのも目的で来たので、夕食は前沢牛をおなかいっぱいになるまで食べたい」と笑顔を広げた。
 林煥超さん(52)は、はだしでフルマラソンを完走。「マラソンはいつもはだしで走っているけれど、さすがに暑くて大変だった。奥州のコースは田園風景が広がってのどかで奇麗だった」と充実の表情を浮かべた。
 台湾ランナーたちは、ゲストランナーの那須川瑞穂さんと記念撮影をしたり、出店の料理を味わったりと奥州のマラソン大会を満喫していた。
 炎天下、地元や県外から参加した選手たちも健闘した。3kmの部親子ペアで1位に輝いた宮城県七ケ浜町の加藤昇さん(37)嬉来さん(8)親子は、「いさわ焼石マラソン時代に2度出たことがあり、今回新たな第1回大会とあって出場を決めた。平たんなコースで走りやすく、とても楽しめた」と笑顔で大粒の汗を拭った。
 奥州市江刺区岩谷堂の看護師伊藤直樹さん(40)は、10年ぶりに出場したフルで見事完走。「仕事の合間にランニングを重ね、1年がかりで練習してきた。10年前よりもさらにタイムが縮まり、年齢に負けず頑張れるものだとうれしくなった」とにっこり。「沿道からの拍手や声援が背中を押してくれて最後まで走り切れた。地域一丸となったいい大会。心地よくゴールできた」と振り返りながら「ぜひ来年も出たい」と意欲を新たにしていた。
 広島大学大学院教授の栗木雅夫さん(49)は、国際リニアコライダー(ILC)誘致に携わる第一線の研究者ながら、各地のマラソン大会に参加するアスリートの一面も。ILC建設候補地近くの大会に「コースは予想通り高低差が少なく、走りやすかった」と話していた。

写真=一斉にスタートを切るフルマラソンの部。青空の下、ランナーの長い列がコースを埋めた
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