人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

日本負担は「二千数百億円」 (山下東京大学特任教授が見解)

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tanko 2017-4-29 14:40
 東京大学素粒子物理国際研究センターの山下了特任教授は、東北ILC推進協議会総会後に講演し、ILCの建設コストに対し「今までは1兆円と言われていたが、昨年12月に打ち出された削減案で実施すれば建設費は当初の半分。日本の負担額はさらにその半分になるのでニ千数百億程度となる」との見解を示した(※)。
 ILC誘致をめぐる最新動向を伝えた山下特任教授。ILCを実現する上で、ネックとされていた巨額な建設費について、研究者らは昨年12月、盛岡市で開かれたILC関連の国際会議「リニアコライダー・ワークショップ(LCWS)2016」の中で、当初計画より約10km短い直線距離20kmで建設する新方針を打ち出したことを紹介した。
 山下特任教授は「過去の大型事業を例に『費用は計画の3倍は膨れ上がる』と言われているが、加速器施設に関してはそれはない」と断言。施設を徐々に拡張していくため、研究の進展は段階的にはなってしまうが、誘致実現の可能性は格段に上がると強調した。

※補足説明…直線加速器は、実験の進展状況などに応じ、段階的に本来目指す加速器トンネルの長さに拡張するのが容易。最初の投資額を低く抑えられるメリットがあることから、研究者サイドは、徐々に拡張していくこの方針を打ち出していた。
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