人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

外国人患者のサポートを 研究者移住見据え医療通訳研修

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tanko 2013-3-25 19:40
 奥州市国際交流協会(佐藤剛会長)主催の「地域医療外国人サポーター研修会」は23日、水沢区吉小路の水沢地域交流館(アスピア)で開かれた。ILC建設が実現した場合の外国人研究者居住を考慮し、初めて企画。医療通訳ボランティアなど、外国人の生活を支援する体制の構築・運営を目指す。
 県南広域振興局「地域医療応援事業」の助成を受けて開催。市内在住の外国人5人が参加した。
 ILCが実現した場合、関連施設に勤務する多くの外国人が、家族と共に周辺地域に居住すると予想されている。同ボランティアは、外国人が病気やけがをした際、速やかに適切な医療を受けられるよう、医療機関との橋渡しを務めるのが主な役割。具体的には外国人患者の症状などを聞き、医師に伝達したり、治療方法などを患者に説明したりする。
 研修会には、横浜市を中心に全国で医療通訳の養成を手掛けてきた西村明男さん(57)=多文化医療サービス研究会代表=を講師に招いた。医療通訳として活動するために必要な知識や技術、心構えについて解説。「具体的な通訳技術の前に、相手(患者)の立場や出身国の文化について一定の理解をしておくことが必要。その国の文化などによっては、ある種の治療方法が拒絶されることもある」などと指摘した。
 「外国人の患者が速やかに、最良の治療が受けられるようサポートすることが医療通訳の仕事」と西村さん。人体の各部位の名称の訳し方などを指導したほか、「日本と諸外国との医療制度の違いや、医薬品の効能の違いなども知っておくといい」とアドバイスした。 
 佐藤会長は「現在、奥州の外国人市民は500人ほどだが、ILCができれば4000人から6000人になる。外国人市民が安心・安全に暮らすためにも、彼らと日本人との橋渡しをする人材が必要になる。きょう参加した外国人市民の皆さんは日本語が堪能なので、いいサポーターになるはず」と期待していた。

写真=外国人市民を前に、医療通訳の基礎や心構えなどを説く西村明男さん(中央)
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