人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

金ケ崎町にドイツ姉妹都市訪問団が来訪

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tanko 2017-4-22 19:30
 金ケ崎町の姉妹都市ドイツのライネフェルデ・ヴォアビス市訪問団が21日、同町を訪問。町役場4階の議場で町と町議会による歓迎式が行われ、町立金ケ崎中学校の生徒が、同市縁の曲「野ばら」を演奏した。一行は、隣接する街地区体育館で開かれた「町民お花見会」にも参加。訪問団メンバーが経営するビール醸造所の生ビール100リットルが振る舞われた。お花見会には町民ら約280人が参加し、本場の味を楽しみながら一行と交流を深めた。
(菊池藍)

 両市町の交流は、歴史的な建造物の保存活用などを共通項としてスタートし、2002(平成14)年に旧ライネフェルデ市と姉妹都市締結した。2004年に2市7町が合併し現ライネフェルデ・ヴォアビス市が誕生した後も、交流を継続。市制・町制施行の節目などでの訪問団や文化使節団の派遣、職員の交流研修などを行ってきた。
 今回同町を訪問したのは、マルコ・グロサ市長とゲルト・ラインハルト前市長、職員2名のほか、同市スポーツ余暇公社のアンドレアス・エベルト代表、ノインシュプリゲ醸造所のベルント・エーブレヒト代表が同行。23日までの滞在中、工業団地や森山総合公園を視察するほか、町内でイベントを開催している盛岡市のビール醸造所も見学。産業文化に広く触れる機会を盛り込んでおり、今後の新たな交流の形を探る。
 歓迎式で高橋由一町長は、訪問団に民間人が参加したことに「新たな分野での交流につながる」と期待。伊藤雅章議長は、「桜が見ごろを迎え、水田では米の作付け準備が盛んに行われている。金ケ崎の風景をご覧いただきながら、友好関係を深めていきたい」と述べた。
 グロサ市長は、市の行政組織や都市整備事業、今後の自治体合併に向けた動きなどを紹介。姉妹都市を締結した当時のラインハルト前市長は「共に若い町で、それぞれ興味深い歴史があり、継続可能な発展が期待される」とし、「人的交流が今後も継続され、お互いの関心がさらに成長し学び合えれば」と願った。
 式では金ケ崎中学校吹奏楽部3年生11人による演奏も。同市出身の作曲家、ヴェルナーの名曲「野ばら」で、訪問団を歓迎した。グロサ市長は「中学生の演奏は非常に良かった」と笑顔で話し、「(今回は)姉妹都市交流を強固なものにしていくための訪問。住宅建築など今後計画している政策に反映できるよう、さまざまなものを学びたい。職員の研修派遣など人的交流を今後できたらと思う」と意欲を示した。
 「町民お花見会」で一行は鏡開きに登壇。乾杯後、ノインシュプリゲ醸造所のピルスナータイプの生ビールが来場者に振る舞われた。
 同醸造所では、年間700万リットルのビールや2万リットルのウイスキーなどを製造しており、旧東ドイツ地域で広く親しまれている。エーブレヒト代表は「伝統的な造り方を採用している。日本のビールと同じようにガスが少なく飲みやすい。日本のビールも飲み比べてみたが、非常に良かった」と話していた。

写真上=歓迎式であいさつするマルコ・グロサ市長

写真下=金ケ崎中吹奏楽部の演奏を楽しむ、ライネフェルデ・ヴォアビス市訪問団
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