人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

国際化への教育とは 斎藤教授(独マインツ大)が持論

投稿者 : 
tanko 2017-3-26 19:50
 ドイツ・マインツ大学の斎藤武彦教授(原子核構造物理学)による講演会が24日、水沢区佐倉河の市文化会館(Zホール)で開かれた。「ILCとこれからの幼児教育について」と題し、日本とドイツの教育システムの比較などを交えながら国際化に必要な教育の在り方について持論を展開した。
 一般社団法人県私立幼稚園連合会(坂本洋会長)の第32回教員研修大会県南地区大会記念講演会として実施。幼児教育に携わる私立幼稚園や認定こども園の教諭ら約290人が聴講した。
 斎藤教授は、日本とドイツにおける教育の違いについて「ドイツでは自分の頭で考えることの実践や議論を重視しており、異なることを素晴らしいとする教育」と紹介。「答えを与えるのではなく、答えに到達できる道筋を与えてあげること。そして人と違うことの素晴らしさを大人が認めてあげることが大事」と強調した。
 素粒子研究施設・国際リニアコライダー(ILC)が岩手に来る意義として「震災から復興、発展した岩手から世界で活躍するリーダーを輩出することができれば、世界中のさまざまな被災地や紛争被害地に希望を与えられる」と言及。
 その上で「自分の頭で考える大切さが教育の根底になければ、海外からの幼児や児童も受け入れることができない」とし、「国際化とは世界に通用する人材を輩出すること。日本の幼児教育の中でどう実現できるか模索してほしい。岩手の教育が日本の未来と世界との関わりを変えていく大きな原動力になる」と期待を込めた。
 研修大会では、講演のほか分科会も行われ、代表5園がそれぞれのテーマごとに取り組み事例を発表した。開会行事の席上、永年勤続者として17人に表彰状が贈られた。

写真=「国際化には自分の頭で考える力を育てる教育が必要」と語り掛ける斎藤武彦教授
トラックバックpingアドレス http://ilc.tankonews.jp/modules/d3blog/tb.php/588

当ホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての著作権は胆江日日新聞社に帰属します。
〒023-0042 岩手県奥州市水沢柳町8 TEL:0197-24-2244 FAX:0197-24-1281

ページの先頭へ移動