人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

有力候補地に研究者集結 48カ国から数千人規模(盛岡で5日から国際会議LCWS)

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tanko 2016-12-2 10:38
 江刺区東部を含む北上山地が有力候補地となっている素粒子研究施設「国際リニアコライダー(ILC)」など、素粒子物理学に関係する大規模な国際会議「LCWS2016」は、5日から9日まで盛岡市を主会場に開かれる。会議を運営するLCWS2016組織委員会と、研究者組織リニアコライダー・コラボレーション(LCC)によると、当該分野の研究者らが48カ国から数千人集まる予定。開催に合わせ、奥州市など候補地に係る自治体では会場の一角に地元PRコーナーを開設するという。(児玉直人)

 LCWSでは、ILCをはじめとする直線型加速器を用いた素粒子研究全般の取り組み状況や、技術開発などについてさまざまな発表や意見交換が行われる。実施国を変え毎年開催しているが、日本が会場となるのは2013(平成25)年に東京大学で実施して以来3年ぶりで、ILCの有力建設候補地である北上山地の近くで開催することになった。
 同組織委とLCCによると、盛岡駅西口の県民情報交流センター(アイーナ)が主会場となる。初日の5日は、現地実行委員会議長を務める岩手大学理工学部の成田晋也教授、達増拓也知事、高エネルギー加速器研究機構の山内正則機構長、LCC最高責任者リン・エバンス氏によるあいさつや講演で開幕。夜には盛岡市などが主催する歓迎会が行われ、会議参加者に加え小沢昌記奥州市長ら地元自治体関係者が出席する。
 6日から8日までは分野ごとの会議日程がぎっしりと詰まっている。このうち6日夕方にはLCCのエバンス氏が、ILC実現に向けた来年度以降の国際的な活動を推進するための新組織に関する記者会見を実施。県立大学の鈴木厚人学長を座長に、加速器関連産業の企業関係者が情報交換する「企業セッション」も行われる。
 最終日の9日には、ILC建設候補地周辺の視察を予定。バスで移動しながら奥州市文化会館(Zホール)周辺の街並みを見てもらった後、一関市大東町内などを見学し、会議全体を締めくくる。
 5〜8日にかけ、会議主会場のアイーナ内では研究者向けに地域をPRする「いわてまるごとフェア」が開催される。平泉町を加えた奥州、一関、宮城・気仙沼の候補地関係4市町はパネルを展示するほか、えさし藤原の郷から平安時代衣装を借り受け、着衣体験などをして日本の歴史や文化を堪能してもらう場も設置。外国人市民で組織するILCサポート委員会は、地域のイベントや見どころなどを紹介する動画「Oshu For You」を放映する。
 研究者側が主催する国際会議とは別に、地元誘致団体の県ILC推進協議会などは6日、LCWS2016併催事業として県民集会「ILCシンポジウムin岩手」を午後2時から盛岡市中央公民館で開く。鈴木厚人・県立大学長の講演や、小沢奥州市長、勝部修一関市長ら地元首長らによるパネルディスカッションが繰り広げられる。
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