人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

ILC意義に理解深める(水沢で専門家と中学生がトーク)

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tanko 2016-9-11 12:20
 市民に国際リニアコライダー(ILC)を知ってもらうシンポジウム「1から分かるILC」(いわてILC加速器科学推進会議など主催)は10日、水沢区の市文化会館中ホールで開かれた。市内外から300人が参加。一線で活躍する物理学者による講演、専門家と中学生を交えてのパネルトークを通じ、ILCを誘致する意義について理解を深めた。
 北上山地への誘致が期待されるILCは、地元をはじめとする国民の理解と協力が不可欠。しかし候補地の胆江、両磐地域でも誘致意義が十分に理解されていないことから企画。県や奥州市、一関市などが後援した。
 前半、高エネルギー加速器研究機構(KEK)素粒子原子核研究所の藤本順平氏が、ILCの研究目的などを分かりやすく解説。引き続き「見る宇宙・つくる宇宙 ダークマターの秘密を探れ」と題したパネルトークでは、藤本氏に加え国立天文台水沢VLBI観測所所長の本間希樹氏、奥州市立水沢中3年の菅原百代さん、一関市立花泉中3年の佐藤琴恵さんがパネリストとして登壇した。
 菅原さんはことし8月、スイスの欧州原子核研究機構(CERN)を視察したことに触れ「科学者が真剣に取り組んでいる姿を見て、格好いいと感じた。いろいろな国の人がおり、日本語でもあいさつされた。ILCができたときのために英語をしっかり学びたい」と振り返った。
 本間所長は、天体観測によってダークマターの存在を推測するきっかけが生まれたと説明。「宇宙で、地球を含む銀河ができるためにはダークマターの存在が必要だった。その正体をILCでみつけてほしい」と期待を寄せた。

写真=現在の宇宙形成の謎に迫るILCへの期待などを話し合ったパネルトーク
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