人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

金ケ崎町長、ILCと天然ガス供給語る(金ケ崎町議会 9月定例会一般質問)

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tanko 2016-9-9 12:10
 金ケ崎町議会9月定例会は8日、開会した。一般質問では山路正悟、阿部隆一、千葉正幸の3氏が国際リニアコライダー(ILC)誘致や学童保育所の環境整備、図書館・公民館経営などについて町当局の見解をただした。
 ILCについては、山路氏が積極的な誘致活動の展開を求めながら質問。16万kWの電力を必要とするILCの誘致と絡め、地域内での天然ガス利用拡大について考えを尋ねた。
 天然ガスを巡っては、東北経済産業局が2014(平成26)年度、東北における自動車産業など「ものづくり産業」の競争力強化を狙いに、工業集積率の高い北上・金ケ崎地域をモデルとした天然ガス利活用勉強会を実施。現在は、エネルギー関連企業や電力・ガス会社、県、市町、製造業が参加する岩手・宮城地域天然ガス利活用連絡会(事務局・東北経産局)に、同町や奥州市、北上市も加わっている。
 天然ガス利用について高橋由一町長は、「産業界ではエネルギーコストをいかに下げるかが課題。金ケ崎の企業でもタンクローリーで搬入した天然ガスで発電している企業がある。町と北上など周辺も含めた産業振興のためには必要だと経産局にも訴えてきた」と説明。
 天然ガス導入には、「仙台からのパイプラインを通して低コスト化することが重要」とする一方で、「仙台から140kmのパイプラインを引いたコストを吸収してなおかつ、供給したエネルギーの採算がとれなければならない」と一定の需要規模が必要であることを示した。
 パイプラインによる天然ガス導入には最低でも年間50万tの需要が必要で、50万kW級の発電所設置による消費などが想定されている。高橋町長はこれらの試算を踏まえ、「16万kWの需要が見込まれているILCの誘致をきっかけに、金ケ崎、北上の工業団地を含めた天然ガス供給体制に見通しができるのではないか。採算が見込まれれば民間による取り組みも期待できる」と波及に期待を示した。
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