人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

「オール東北」で誘致実現   認知度低い日本海側や被災地〜温度差解消へ

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tanko 2013-3-5 14:50
 北上山地への建設が期待される国際リニアコライダー(ILC)について、誘致活動を進める東北ILC推進協議会(代表・里見進東北大学総長、高橋宏明東北経済連合会長)などは、山形県など日本海側や東日本大震災の津波で被災した太平洋沿岸地域でのILC計画の周知に力を注ぐ。ILCを建設する際には産学機関の力を結集する必要が出てくるが、現時点では岩手、宮城両県以外での認知度は低く、同協議会など関係機関は周知不足や温度差の解消に努める。

 ILCの東北誘致をめぐる動きは10年以上も前からあったが、政府が国内誘致を正式表明していないことや、過激な誘致合戦への発展を懸念し、研究者や一部行政担当職員など水面下でのやりとりが続けられていた。
 一般市民にも知られ始めたのが2009(平成21)年。有識者を招いた講演会が徐々に開かれたが、建設候補地付近の奥州市や一関市、県庁所在地の盛岡、仙台両市での開催が目立っていた。
 今夏をめどに国内候補地の一本化が図られることもあり、最近はマスコミなどを通じ「ILC」の名を聞く頻度は増えている。しかし、東北ILC協議会事務局を務める東北経済連合会(東経連)産業経済グループの有原常裕部長は「岩手や宮城以外では、知名度は依然高くない」と話す。
 同協議会は13日、山形市で初めてILC講演会を開催。ILC計画推進のキーパーソンでもある、東京大学の山下了准教授らを招き、産業発展の可能性を中心に話題提供し、誘致機運を高める。
 ILC講演会が数多く開かれてきた岩手、宮城両県においても普及状況や住民の関心度合いに開きがある。「復興の象徴」を標ぼうするILCだが、沿岸被災地や県北での講演会などはほとんど開かれたことがない。
 県政策推進室の細越健志特命課長(ILC担当)は「震災直後は、目前の復旧・復興が最優先であり、ILCの話題はなかなか出しにくかった」と説明。その上で「現在は、ILCの話題を提供しても特に抵抗はないという雰囲気のようだ。3月下旬に沿岸部のほか、県北でも普及活動が計画されている」と話し、全県的な周知や機運醸成に向け一層力を注ぐ考えだ。
◇28日に仙台市でセミナー
 東経連などが主催するILCセミナーは、28日午後1時半から宮城県庁で開かれる。誰でも聴講できるが、事前に東経連ホームページから入手できる申込用紙に必要事項を記入し送付する。問い合わせは、東経連(電話022・799・2103)。
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