人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

研究者の仕事を身近に(ILC夏合宿に合わせ、水沢高校生ら交流)

投稿者 : 
tanko 2016-7-25 11:30
 北上山地が有力候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の研究や装置開発に携わっている研究者と地元中高生との交流会が24日、一関市大手町の同市図書館で開かれた。県立水沢高校の生徒ら8人が、第一線で活躍する研究者からILCの概要のみならず、研究者に求められる素質などについて興味深く聴き入っていた。
(児玉直人)

 交流会は、同市内で23日から26日まで開催している「加速器・物理合同ILC夏の合宿2016」に合わせ企画。全国の大学や関係機関から約60人の研究者が集まり、情報共有や共通認識の醸成を図っている。候補地の地元で開催するのは初めてで、多くの研究者が集まるせっかくの機会にと、県科学ILC推進室や研究者組織などが連携し、地元の中高生と研究者が語り合える場を設けた。
 研究者に求められる素質について講演した広島大学大学院の栗木雅夫教授は、「成績が良く公式を丸暗記している人が、研究者に向いているとは限らない。この公式はどうやって考えられたのか、本当に正しいのかと考えるような人が向いている」と指摘。「教科書は覚えるものではなく、理解するもの。考えることが快感になれば、研究者になれる」と持論を展開した。
 引き続き生徒たちは、5人の研究者とグループ形式で対話。水沢高校理数科2年の遠藤咲季さん(17)は、九州大学大学院の川越清以教授から、研究者になる上での学習や進路のポイントなどについて助言を受けた。「身近に研究者の仕事をしている人がいないので、遠い存在というイメージがあったが、たくさんの話を聞くことができて将来の進路を考える上で参考になった」と笑顔で話していた。
 当初、水沢高校からは5人の生徒が参加予定だったが、北上市内の東北本線で発生した踏切事故の影響で3人が会場入りできず、参加を断念した。

写真=九州大の川越清以教授からアドバイスを受ける生徒たち
トラックバックpingアドレス http://ilc.tankonews.jp/modules/d3blog/tb.php/499

当ホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての著作権は胆江日日新聞社に帰属します。
〒023-0042 岩手県奥州市水沢柳町8 TEL:0197-24-2244 FAX:0197-24-1281

ページの先頭へ移動