人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

奥州市ILCまちづくりビジョン 4月中策定へ最終案

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tanko 2016-4-23 12:50
 北上山地への国際リニアコライダー(ILC)誘致を見据えた奥州市の「ILCまちづくりビジョン」の最終案がまとまった。市が今後目指すべき将来像や関係機関と連携して進めていくための行動指針を掲げ、地場産業の振興や市民生活などのさらなる向上のために期待できる取り組みを示した。22日、同ビジョン策定委員会の亀卦川富夫会長が小沢昌記市長に最終案を提出。今月中にも策定される見通し。(千葉伸一郎)


 昨年7月の初会合からワークショップやパブリック・コメント(意見公募)などを経て取りまとめた。同策定委は、まちづくりや産業の集積、教育や医療など各分野の有識者ら13人で構成。重視したのはILCをどのように市民の「夢や希望」につなげていくか――。最終案の副題には「無限の可能性を求めて」と記した。
 ILCで用いられ、生み出される最先端技術はさまざまな分野に応用でき、県や東北の経済発展、地域活性化につながる。また、世界各国から多くの研究者らが集まるため国際都市を形成し、子どもたちが研究者から直接学ぶ機会があれば教育環境も高まる。
 市の目指すべきまちづくりの将来像は、「奥州から未来を創る」「時空を超えたつながり」「恵み豊かな自然・文化と共生」。この将来像を実現するため、▽地域産業振興▽多文化共生の推進と快適な生活環境の向上▽次代の人材を育成できる国際教育都市の形成――の3分野ごとに行動指針を決めた。
 地域産業振興には、JR水沢江刺駅周辺のイノベーション(技術革新、新たな価値の創造や社会を変化させる活動)拠点の形成などを取り組みに盛り込んだ。多文化共生と生活環境では、医療や公共交通の利便性向上などを掲げ、人材育成面では子どもたちが異文化理解と国際感覚を育むための寺子屋事業も記載した。
 亀卦川会長は「市民の夢として、この可能性を追求していきたい。このビジョンを経済団体や市民団体などに手渡していただけたら」と依頼し、さまざまな分野の協働による取り組みに期待。小沢市長は「市民一人一人がILCを迎えるために何ができるかを考え、率先して行動できるような雰囲気づくりをしたい」と応えた。

写真=市ILCまちづくりビジョンの最終案を小沢市長に提出する策定委の亀卦川会長(左)
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