岩手県奥州市・金ケ崎町をエリアとした地域新聞社による国際リニアコライダー(ILC)関連記事を掲載。 奥州市東部の北上山地は、現時点における世界唯一のILC候補地に選定されました。当サイトにはILCをはじめ、理系分野やILCに関連性のある地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)についての記事を随時アップします。

ILCは「三度目の正直」(鈴木県立大学長 誘致実現期す)

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tanko 2016-2-9 14:40

 県立大学の鈴木厚人学長の「2016年基礎科学物理学ブレークスルー賞」受賞記念の特別講演会は8日、盛岡市内のホテルで開かれた。鈴木学長は、ニュートリノ研究施設の建設で、過去に釜石市の鉱山跡地を活用する計画が二度あったことを明かし、「どれも失敗した。北上山地への誘致が期待されている国際リニアコライダー(ILC)は、三度目の正直で成功させたい」と話した。
 米国アップル、グーグル、フェイスブックの各IT関連企業の首脳らが創設した「ブレークスルー賞財団」が、顕著な科学研究に対して贈る同賞。授賞式は昨年11月、米国サンフランシスコで行われた。
 今回の受賞は、素粒子「ニュートリノ」に質量があるかを確かめる実験に対するもので、鈴木学長のほか、ノーベル物理学賞を受賞した東京大学宇宙線研究所長の梶田隆章教授ら5グループによる共同受賞となった。
 新潟県出身の鈴木学長は、東北大学大学院を経て、同大学院付属ニュートリノ科学研究センター長、同大学副学長、高エネルギー加速器研究機構長などを歴任。昨年4月から県立大学長に就任した。
 鈴木学長が研究対象としていたニュートリノは、あらゆるものの最小単位「素粒子」の一種。宇宙で最も豊富な素粒子だが、電気を持たないために他の物質と反応せず、人体も地球も通り抜けてしまうため、その存在を捉え、性質を調べることは容易なものではなかった。
 鈴木学長は、東北大が岐阜県の神岡鉱山地下を利用し立ち上げた実験施設「カムランド」で、原発や地球内部の核反応に由来する反ニュートリノの検出に成功した。
 特別講演会には、ILC誘致関係者や小沢昌記奥州市長、高橋由一金ケ崎町長ら420人が出席。鈴木学長は「神岡の地でニュートリノを追う そしてILC」と題し、ニュートリノ研究の歩みや得られた成果を紹介した。
 鈴木学長は、神岡鉱山へのカムランドや前身施設「カミオカンデ」を建設する際、釜石市の鉱山跡地が候補に挙がったことを明らかにした。「最初は鉱山を所有する会社の合併があって『それどころではない』と断られ、二度目のチャンスは文部省(当時)に予算化を断られた。今度はILC。県立大学長として岩手にやっと着地できた」と笑いを誘い、ILC誘致実現への思いをあらためて示した。
 同日は東京大学素粒子物理国際研究センター長の駒宮幸男教授、同センターの山下了特任教授も講演。講演後は受賞祝賀会も行われた。

写真=ニュートリノ研究や将来計画されているILCなどについて解説する鈴木厚人学長
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