人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

まずは課題と魅力抽出(奥州市ILCまちづくりビジョン策定委が初会合)

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tanko 2015-8-1 9:10
 素粒子研究施設・国際リニアコライダー(ILC)の誘致を見据えた市のまちづくり像を描くビジョン策定委員会が31日、市役所本庁5階会議室で初会合を開き、ビジョンの考え方やスケジュールなどについて確認。意見を交わした。市が置かれている現状や課題、魅力などを抽出しながら必要な手だてなどを分野ごとに検討。ILC計画の存在も意識しながら、住みよい地域の実現につながるビジョンをつくり上げる。年内策定を目標に作業を進める。
 委員13人のうち8人が出席。会長に亀卦川富夫・いわてILC加速器科学推進会議代表幹事、副会長に田面木茂樹・市教育長を選んだ。
 同ビジョンは、ILCを市のまちづくりに生かすための将来像と位置付ける。委員会の下部組織に▽まちづくり・地域生活支援▽産業振興▽福祉医療・教育――の3分科会を設置。一般市民の意見を吸い上げるための「まちづくりワークショップ」は7月5日に開催済み。
 分科会では、分野ごとに課題の検討やワークショップで寄せられたアイデアなどの具体化、スケジュールなどを協議する。分科会と策定での協議を繰り返しながら10月ごろには案をまとめ、市民や議会に公表。寄せられた意見を反映させ、年内策定とする流れだ。
 複数の委員からは「スケジュール的に難しくないか」との指摘も。市ILC推進室は「既に県や東北のレベルでILC実現を見据えた将来像の協議が始まっており、奥州市としての考えを求められる場面も出てくる。市民の声を反映させた考えを示したい」と理解を求めた。
 このほか「一般市民の多くは、ILCのことをほとんど分かっていない。ILCは難しいと思ってしまうので、岩手や東北の将来と言われても漠然としかとらえきれない」「市の現状と身近な課題を捉え、市民も研究者の皆さんも住みよい地域を実現するには何が必要か、議論をしなければいけない。地に足が付いていない状態で大きなビジョンを描こうとすると、途中でつまずいてしまう」などといった意見も出た。
 同日はビジョン策定の支援業務を受託している?都市計画設計研究所=東京都新宿区=の三浦幸雄代表取締役が、市の現状や課題、ビジョンの構成案など議論のたたき台となる要素を説明した。
 亀卦川会長、田面木副会長を除く委員は次の通り。
 倉原宗孝(県立大学教授)佐藤剛(奥州市国際交流協会会長)千葉聡(水沢青年会議所理事長)平栗聡(江刺青年会議所理事長)成田晋也(岩手大学教授)千田ゆきえ(千田精密工業取締役)西山英作(東北経済連合会ビジネスセンター長)千田由美(農家レストランまだ来すた代表)半井潔(総合水沢病院院長)大江昌嗣(NPO法人イーハトーブ宇宙実践センター理事長)大村千恵(奥州市水沢青少年育成市民会議事務局次長)
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