人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

ILC誘致実現へ要望、注文(奥州市議会で国際交流協会事務局長)

投稿者 : 
tanko 2015-6-23 11:50
 奥州市議会・ILC誘致及び国際科学技術研究圏域調査特別委員会(渡辺忠委員長、議長除く全議員で構成)の会合が22日、市役所本庁で開かれ、市国際交流協会の渡部千春事務局長がILC(国際リニアコライダー)誘致を見据えた同協会の活動状況を報告した。国内誘致の早期判断を国に促すための働き掛けなど「政治力の発揮」を市議会に対し要望した一方、市当局には国際交流面で実績のある同協会や関係機関との連携を徹底するよう求めた。
 外国人市民の有志組織・ILCサポート委員会の活動支援などILC計画実現に向けた取り組みを進める市国際交流協会(佐藤剛会長)と意見交換しようと、同調査特別委が渡部氏を会合に招いた。
 ILC計画をめぐっては、江刺区東部を含む北上山地への建設構想が見込まれ、実現すれば周辺に国内外の研究者や技術者が滞在。関連企業や生活支援施設が整備されることも想定される。
 既に候補地が一本化し、日本政府の誘致判断を待つ現状を踏まえ、渡部氏は市議会に対し「市民の代表として政治力を駆使してほしい」と関係省庁などへの働き掛けを強めるよう要望した。
 渡部氏はまた、昨年9月に水沢区を会場に開かれたILC関連の国際会議「ILDミーティング」で、市側の連絡調整に一部不手際があったと指摘。「何を行うにもコミュニケーションが大切」とし、国際交流に関するノウハウを持つ同協会に事前に相談するなど市側の連携強化の必要性を訴えた。
 このほか渡部氏は、ILC建設に伴い現地に居住する外国人研究者らを受け入れる上で、衣食住の中でも特に医療面や子弟の通学先を考慮する必要があると強調。子弟教育に関しては、インターナショナルスクールを新設するよりも、既存の一部学校に有能なALT(外国語指導助手)を複数配置するなどして対応するのが効率的との認識も示した。
 渡部氏は、ILCに関連する同協会の活動状況についても報告し、同協会が今年4月から県立胆沢病院との間で進める医療通訳システムの運用実績を紹介。同協会が3月に行い、市内高校生でILC計画に関心のある生徒が4分の1程度にとどまることなどが判明したアンケート結果にも触れた。

写真=市議会ILC調査特別委の会合で市国際交流協会の活動状況について報告する渡部千春事務局長
トラックバックpingアドレス http://ilc.tankonews.jp/modules/d3blog/tb.php/397

当ホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての著作権は胆江日日新聞社に帰属します。
〒023-0042 岩手県奥州市水沢柳町8 TEL:0197-24-2244 FAX:0197-24-1281

ページの先頭へ移動