人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

文科省協議「前向きな結果に期待」 エバンス氏(研究者組織最高責任者)が所見

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tanko 2015-1-14 9:20
 国際リニアコライダー(ILC)を推進する国際研究者組織「リニアコライダー・コラボレーション(LCC)」の最高責任者リン・エバンス氏(69)=ロンドン・インペリアルカレッジ教授=は13日、一関市内で会見し、文部科学省が進めている国内誘致をめぐる協議について「前向きな結果であることに期待したい」と述べた。エバンス氏らLCC幹部は同日、ILC関連部品の輸送環境を調べるため、宮城県気仙沼市の港湾施設などを視察。「機能的に大きな問題はない」と話していた。(児玉直人)

 一関市などを訪れたLCC幹部はエバンス氏のほか、ILC担当責任者のマイク・ハリソン氏(65)=米ブルックヘブン国立研究所、測定器・物理担当責任者の山本均氏(59)=東北大学大学院教授=ら7人。高エネルギー加速器研究機構(KEK)や県、奥州市、一関市などのILC担当職員らも同行した。
 今回の視察は、海外などで作られたILC関連部品の輸送環境把握や、東北の産学官誘致関係者との交流が主な目的。気仙沼市では菅原茂市長と会談したほか、港湾機能を現地視察。その後、測定器などが設置される「中央衝突点」の想定地である一関市大東町内の山間部にも足を運んだ。
 視察後、一関市内で記者会見したエバンス氏は「気仙沼港の復興状況に感心した。道路も特に問題ないだろう」とした上で、「コンテナの陸揚げ設備が整っていない。(気仙沼だけでなく)他の港からの陸揚げについても想定したい」と述べた。
 ILCの国内誘致実現については、文部科学省が有識者会議(座長・平野真一名古屋大学名誉教授)を設置。さらに二つのワーキンググループを設け、技術やコスト面などを詳細に調査している。エバンス氏は「文科省は真剣に取り組んでおり、その結果が出るのを見守っている」との考えを示した。
 同日、一関市内では夕食会もあり、達増拓也知事や小沢昌記奥州市長らも出席した。
 エバンス氏らLCC一行は14日、仙台市内で村井嘉浩宮城県知事との面会などに臨む。
 
写真=視察を終え一関市内で会見するリン・エバンス氏(中央)
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